アフリカ・ソマリア沖海域で頻発する海賊行為から民間船舶を守るため、浜田靖一防衛相は13日、自衛隊法82条に基づく海上警備行動を発令した。
《「ソマリア沖での海賊行為」に関して英語記事》
これに先立ち政府は、海賊対策の新法と位置付ける海賊対処法案を閣議決定した。
海上自衛隊は14日、護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の2隻を広島県の呉基地から出航させる。
約3週間かけて現地に到着し、4月上旬に活動を始める予定だ。
護衛艦には、自衛官約400人、海賊の逮捕など司法警察権を行使できる海上保安官8人が乗り込む。
海自の特殊部隊「特別警備隊」も同行し、哨戒ヘリ4機を搭載する。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
ソマリア沖を航行する船舶は年間約2万隻で、日本関係船舶は少なくとも約2千隻を占める。
同海域では昨年111件の海賊被害が発生しており、欧米各国などが軍艦を派遣している。
政府は諸外国との協調を優先するため、時間を要する新法整備は後回しにして、現行法に基づく海上警備行動を発令しての見切り発車となった。
<英語表現の工夫:見切り発車>
海上警備行動は99年3月の能登半島沖不審船事件と04年11月の中国潜水艦領海侵犯事件の際に発令された前例があるが、いずれも日本領海で起きたものだ。
《「海上警備行動の発令事例」について英語にて解説》
ソマリア沖のような遠洋への派遣は初めて。
海上警備行動では護衛対象が日本籍船や日本の貨物などを運ぶ日本関係船舶に限られる。
相手に危害を与える目的の射撃は、相手が攻撃してきた際の正当防衛や緊急避難の場合にのみ認められる。
[「海上警備行動に基づく活動」を英会話のトピックとして]
そのため、海賊対処法案では護衛対象を日本に関係しない外国船舶にも広げ、武器使用の基準も緩和した。
<英会話/ディベート:武器使用基準の緩和>
警告射撃などをしても船舶への接近をやめない海賊船には、相手の攻撃がなくても船体に危害射撃ができる。
今回の規定は「任務遂行のための武器使用」という位置付けで、専守防衛の自衛隊にはこれまで認められていなかった。
政府見解では「国または国に準ずる組織」との戦闘は「武力行使の恐れがある」とされていた。
今回、政府は海賊対策を「警察活動」とし、海賊船を「軍艦及び各国政府が所有・運航する船舶を除く」と定義することで、憲法9条が禁じる「武力行使」との区別を明確にした。
《「今後の海外派遣への影響」に関して英語論説》
政府は13日に国会提出した海賊対処法案が成立すれば、ソマリア沖の活動根拠を同法に切り替える方針だ。
ただ、野党には反対論もあり、新法案の成立時期は不透明だ。
麻生太郎首相は「法律として色々な不備があるために派遣される自衛官や海上保安官が危険な目に遭うのは政治の怠慢だ」と同法案の早期成立を訴えた。
〔英会話表現による言い換え〕
海自は01年から続くインド洋での給油活動に加え、ソマリア沖での護衛任務も担うことになった。
折しも北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射準備を進める中、海自はイージス艦などで情報収集に努めている。
有事への即応体制も並行して維持しなければならないため、海自には重い負担となる。
[「国土防衛との二正面作戦」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
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