北朝鮮は25日午前、朝鮮中央通信を通じて2006年10月に続く2回目の地下核実験に成功したと発表、核実験後に短距離ミサイル3発も発射した。
《「地下核実験の方式」について英語にて解説》
国連安全保障理事会は北朝鮮への対応を協議する緊急会合を開くことを決定した。
日本や米国などは再実験禁止を定めた06年の国連安保理決議への違反を指摘して制裁強化などを強く主張する方針だ。
[「06年の国連安保理決議」を英語記事のトピックとして]
4月のプラハ演説で「核兵器のない世界」を目指す考えを表明し、核拡散防止を重点目標に掲げるオバマ米政権としては、北朝鮮の核実験への傾斜は重大な事態だ。
<英会話/ディスカッション:米国の核戦略への影響>
オバマ大統領は25日、日本や韓国など関係国と連携して国際社会の圧力を強める意向を示した。
日本政府は独自の経済制裁措置の強化について検討に入った。
現在は贅沢品などに限定している北朝鮮への輸出禁止措置を、全面禁止することが軸となる。
《「全面禁輸の効果」に関して英語記事》
ただ4月の弾道ミサイル発射後に北朝鮮籍船舶の入港禁止と輸入禁止措置の1年延長など制裁を強化したばかりで、残されたカードは少ないのが実情だ。
北朝鮮との関係が深く、友好国とされる中国とロシアも、今回は相次いで北朝鮮を批判した。
[「北朝鮮暴走に対する中ロの責任」を英会話/ディベートのテーマとして]
中国外務省は「北朝鮮の核実験に断固として反対する」との声明を発表。
ロシアも外務省が安保理決議違反との認識を早い段階で表明した。
北朝鮮の核開発問題は米国が02年10月に「北朝鮮がウラン濃縮型核開発計画を認めた」と発表し、表面化した。
<英語にて解説:北朝鮮の核開発問題を巡る動き>
北朝鮮は05年2月に「核兵器保有」を宣言、06年10月に初の地下核実験を行った。
このときの核実験はTNT火薬換算で1キロトン未満と核爆発としては小規模で、失敗との見方もあった。
気象庁によると、今回北朝鮮北部で観測された地震の規模はマグニチュード(M)5.3と前回の核実験のM4.9より大きくなった。
専門家は「核爆発のエネルギーは4、5倍になった。前回より核爆弾が高性能化した可能性もある」と指摘する。
[「国際社会への脅威の増大」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
北朝鮮が06年に核実験を強行した際、国連安保理はこれ以上核実験や弾道ミサイル発射を実施しないよう要求する制裁決議を採択した。
しかし、北朝鮮は決議を無視する形で今年の4月5日、人工衛星を搭載していると主張して長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射。
《「北朝鮮の国連決議無視」について英会話》
安保理がこれを非難する議長声明を採択したことに対し強く反発し、4月29日の外務省報道官声明で「核実験など追加的な自衛措置を講じざるを得ない」と警告していた。
北朝鮮は4月のテポドン2号発射後も「6カ国協議への不参加」や「核燃料棒の再処理開始」を宣言するなど間髪入れずに強硬な行動に出てきた。
それに続く今回の核実験の強行である。
<英会話/ディベート:北朝鮮による強硬策の連発>
背景には米国を思うように直接対話に引き出せないことへの焦りがあるようだ。
昨年秋からくすぶる金正日総書記の健康問題や後継者選びと結びつける向きもある。
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