11日午前5時7分ごろ、東海地方を中心に広い範囲で地震があり、静岡県中部や西部、伊豆地方で最大震度6弱を観測した。
震源は駿河湾で東海地震の想定震源域内だったが、気象庁は「東海地震に結びつくものではない」と判断した。
[「東海地震の切迫性」を英語記事のトピックとして]
この地震で東名高速道路が路肩崩落により一部通行止めになった。
中日本高速道路は、お盆の帰省ラッシュにあわせた「千円高速」の実施で交通量の増加が見込まれる13日に間に合うよう24時間体制で復旧工事を進める。
《「地震による物流への影響」について英会話》
東海地震は駿河湾周辺を震源に想定されるマグニチュード(M)8程度の大地震だ。
日本列島がのる大陸側のユーラシアプレートの下に太平洋側からフィリピン海プレートが沈み込む東海から四国にかけての海域では100〜150年周期で大地震が発生しているが、駿河湾周辺は1854年以来大地震が起きていない。
政府の地震調査委員会は発生確率を「30年以内に87%」と予測している。
<英会話/ディスカッション:地震の発生確率>
気象庁は11日の地震について、規模や発生のメカニズムなどが異なることから東海地震そのものではないとした。
今回の地震の規模はM6.5で、東海地震の想定規模を大きく下回る。
震源の深さも約23キロと想定(15〜20キロ)より深かった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
地震を引き起こす断層のずれ方も違った。
今回の地震はフィリピン海プレート内部で起きたとみられ、断層が水平方向にずれる「横ずれ断層型」と垂直方向にずれる「逆断層型」が複合したタイプだった。
一方、東海地震は想定されるプレート境界で発生する逆断層型の地震だ。
<英語にて解説:東海地震のメカニズム>
東海地震との関連性を調べるため、気象庁は学識者による「地震防災対策強化地域判定会」の委員打ち合わせ会を初めて緊急招集した。
地震後の地殻変動の観測で「前兆すべり」が起きていないことが分かったため、今回の地震が東海地震を誘発する可能性を否定した。
《「想定震源域内の地震活動」に関して英会話/ディスカッション》
前兆すべり(プレスリップ)は大規模な地震の前兆とされる地殻変動で、地震発生前にふだんは固着しているプレート同士の境界の一部がゆっくりとずれる現象だ。
1944年の東南海地震で2、3日前から異常な地殻変動が観測されたことから、東海地震でも同様の前兆が現れると考えられている。
[「東海地震と前兆すべり」を英語論文のテーマとして]
そのため気象庁は、東海地震の震源域とその周辺に地殻の歪みのわずかな変化をとらえる「歪み計」(21カ所)などを設置。
24時間体制で前兆すべり発生を監視し、東海地震の事前予知を目指している。
<英会話/ディベート:予知を前提とした防災体制>
ただ、地震の発生メカニズムは複雑で、想定通りの地殻変動が事前に必ず起きるとは限らない。
今回の地震では「東海地震観測情報」が初めて出された。
気象庁は東海地震に関連する情報を3段階に分けて国民に発信する。
《「東海地震に関わる情報の流れ」に関して英語にて解説》
観測情報は3段階のうち最も危険性が低い第1段階。
もう1段階危険性が高いのが「注意情報」で、第3段階の「予知情報」が発表された場合には、住民避難や交通規制も実施される。
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