厚生労働省は9日、成田空港の検疫で、カナダに滞在後、米デトロイト経由で8日に帰国した大阪府内の男子高校生ら3人が豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザに感染していることを確認したと発表した。
[「新型インフルを巡る経過」を英語記事のトピックとして]
日本国内で感染者が確認されたのは初めて。
感染が確認された3人のうち、発熱していた男性教員と男子高校生の1人は、機内検疫で簡易検査したところ陽性となったため、国立感染症研究所が遺伝子検査を実施した。
2人の座席周辺にいた乗客らは感染の疑いがあるとして検疫法に基づき、一般の乗客から離す「停留措置」となった。
《「隔離と停留」に関して英語にて解説》
しかし、2人目の高校生は機外に出た段階で症状を訴え感染が確認されたため、この高校生の周辺座席の乗客も本来は停留措置の対象だったが、すでに入国後で「検疫法の対象外」の状態だったため、停留できなかったという。
周辺の乗客が機内検疫をすり抜けた可能性があり、厚労省が確認を急いでいる。
《「検疫の限界」について英会話》
厚労省は世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒水準をフェーズ4に引き上げた後の先月28日から水際対策として、成田空港などの検疫を強化した。
<英語表現の工夫:水際対策>
機内検疫は水際対策の柱だが、機外に出た直後の「発症」は検疫法の想定外だった。
北米で新型インフルエンザの感染が急速に拡大している。
[「北米への渡航注意」を英会話のトピックとして]
米疾病対策センター(CDC)の8日の発表によると、米国の感染者は42州と首都ワシントンに広がり、人数は前日からほぼ2倍の1639人となってメキシコを抜いた。
カナダ政府は同日、感染による初の死者を確認したと発表した。
感染者の死亡が確認されたのはメキシコ、米国に次いで3カ国目。
今回の新型の原因ウイルスはH1N1型。
病原性はこれまで出現を警戒してきた鳥インフルエンザからの変異ウイルス(H5N1型)に比べて小さいとみられる。
致死率も毎年流行する季節性インフルエンザよりやや高い程度で、過去の新型インフルエンザであるアジア風邪(0.5%)や香港風邪(0.3%)に近いと予想される。
<英語にて解説:新型インフルと季節性インフルの比較>
今後、二次感染を含めて国内で患者が発生した場合には、政府が定める行動計画は「海外発生期」から「国内発生早期」に移行する。
この段階では感染拡大防止が最大の目的となり、学校閉鎖や集会の自粛などの行動制限も検討される。
《「対策による社会機能への影響」に関して英会話/ディスカッション》
国内初の患者が確認されたことを受け、厚労省は重症化を防ぐ切り札としてワクチン製造の準備を進める。
ただ国内のワクチン生産能力には限りがあるため、政府は生産量などの方針を決めかねており、国際的な議論の動向を注視している。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
検疫などの水際対策はあくまで時間稼ぎでしかない。
軽症例や症状がない潜伏期間内の例が検疫をすり抜ける可能性や、検疫対象国以外から国内に入る可能性もある。
今後は国内の感染拡大を見越した医療体制の充実に力を注ぐべきだ。
[「感染拡大に備えた体制整備」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
|