一般市民が刑事裁判に直接参加する裁判員制度が21日始まった。
[「国民の司法参加」を英会話のトピックとして]
麻生太郎首相は「国民の視点や感覚が裁判に反映され、裁判が迅速で分かりやすいものとなることが期待される」との談話を発表した。
一方、裁判員制度に反対する団体は記者会見や集会を開いた。
弁護士や作家らでつくる市民団体は「わずか数日で重大な刑事事件を審理し、死刑を含む刑罰を決めることは無謀」として制度の廃止を訴えた。
《「裁判員制度の是非」に関して英会話/ディベート》
裁判員制度の導入は、経済構造改革に対応した司法制度整備のために、1999年に政府が司法制度改革審議会を設置したことが直接の契機となった。
<英語にて解説:裁判員制度開始までの10年間>
2001年6月、同審議会が最終意見書で制度導入を提言。
同年12月に内閣に設置された司法制度改革推進本部が制度の細部を詰めた。
裁判員法は04年5月、国会でほぼ全会一致で成立した。
制度の導入が決まって以降、刑事司法の現場では様々な制度の見直しや運用の工夫が行われてきた。
05年秋から始まった公判前整理手続きもその1つ。
公判が始まる前に裁判官と検察官、弁護人が集まって争点を整理して審理計画を立てる仕組みだ。
これと連動して検察官による証拠開示も充実した。
公判前整理手続きの下では審理前の段階で立証に使う全ての証拠を開示しなければならない。
変化は捜査段階にも広がり、取調べの一部録音・録画も進んだ。
[「刑事裁判の変化」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
裁判員制度では、国民から無作為抽出された6人の裁判員が、3人の裁判官とともに刑事事件の一審の審理に参加し、判決を出す。
対象は殺人や強盗致傷、現住建造物等放火などの重大事件で刑事事件全体の2〜3%に相当する。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
対象事件で被告が起訴されると、公判前整理手続きで審理日程を決定。
裁判所が初公判の6週間前までに裁判員候補者に呼び出し状を送付、当日午前中に選任手続きが行われる。
<英語にて解説:裁判と選任の流れ>
そのため、第1号裁判は7月下旬に始まる見通しだ。
裁判所は毎年、20歳以上の国民の中からくじ引きで選んだ裁判員候補者名簿を作成。
その中から事件ごとに50〜100人程度を呼び出し、事件を担当する裁判長との面接やくじ引きで6人の裁判員と2人の補充裁判員を選ぶ。
《「裁判員辞退の条件」に関して英語記事》
法務省の試算によると、現在20歳の国民が生涯で裁判員や補充裁判員に選ばれる確率は112人に1人だ。
裁判員に選ばれた人は平日の3〜5日間程度、参加が義務づけられる。
企業の多くは裁判に参加する社員が有給の特別休暇を取れる制度などの整備を進めている。
<英会話/ディスカッション:心理的負担に対するケア>
だが、経済情勢が厳しさを増す中、人員に余裕がない中小企業や自営業者は準備が遅れている。
制度の見直しについて裁判員法は「政府は法施行後3年で施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは所要の措置を講じる」と規定している。
[「裁判員制度の課題」を英語論説のテーマとして]
最高裁は今年1月、制度運用の改善点を助言する有識者懇談会を設置した。
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