香川県と同県土庄町の豊島住民は6日、不法投棄された産業廃棄物処理を巡り、国の公害等調整委員会が提示した最終合意文書に調印し、公害調停が成立した。
<英語にて解説:公害調停と訴訟>
国内最大規模とされる約50万トンの産廃問題は、業者の産廃処理業申請から25年、豊島住民が産廃撤去を求める調停を申請してから6年半ぶりの全面解決となる。
合意文書に県の謝罪が盛り込まれ、調停の席でも真鍋武紀知事が県の対応の誤りを認め、住民に対し初めて直接謝罪したことで、産廃処理に関する自治体の監督責任が明確になった。
《「知事による謝罪」について英会話》
調停の成立を受け、県は産廃や汚染土壌を2016年度末までに豊島から搬出し、地下水・浸出水を浄化する。
産廃は西隣にある直島の企業敷地内で焼却・溶融処理する。
県が負担する産廃の処分費用は、人件費などを除き300億円前後と試算されている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
豊島産廃事件の発端は1975年。
産廃処理業者が県に処分場を許可申請したことに対し、住民らが反対運動を展開。
83年ごろから有害産廃の不法投棄が始まったが、県は産廃を有価物と認定し、不法投棄を容認し続けた。
[「行政の怠慢」を英会話のトピックとして]
90年に兵庫県警が処理業者らを廃棄物処理法違反容疑で摘発。
住民らは93年、県の責任を明確にするとともに産廃の撤去を求めて公害調停を申請した。
厚生省の調査では、96年度に全国から排出された産業廃棄物の総量は約4億500万トン。
家庭ごみなど一般廃棄物は市町村が収集するのに対し、産廃の処理は原則として排出者に責任があるが、多数の排出事業者は産廃処理業者に処理を委託している。
都道府県などの調査によると、不法投棄件数は98年度で1200件を超え、前年度よりも5割増加。
不景気の影響で処理費用が安い業者に廃棄物が流れる傾向があることに加え、処分場不足が影響している。
<英語論説:不法投棄に対する排出事業者の責任>
各自治体は産廃発生量の抑制や不法投棄防止に向け独自の規制を強めている。
《「産廃処理で独自規制を実施している自治体」に関して英語記事》
京都市は1日、メーカーなどの排出事業者にも原状回復を義務付けた「産廃不適正処理対策要綱」を施行した。
三重県は、県内の産廃処理場を利用する全ての企業を対象に埋め立て量に応じて課税する案を検討中だ。
[「産廃埋め立て税の導入」を英会話/ディベートのテーマとして]
大分や岐阜など12県の知事からなる「国と地方の税制を考える会」も、8月に開く会合で産廃埋め立て税の導入を具体的に議論する。
排出事業者の責任の高まりに伴い、企業側も対応を急いでいる。
特に目につくのは、工場のごみ排出量を削減し、不法投棄に伴うリスクや産廃処理の費用負担を減らすゼロエミッション(埋め立て廃棄物ゼロ)の動きだ。
《「ゼロエミッションと循環型社会」に関して英語論文》
一連の産廃処理の企業責任を巡る法整備は、国内企業のこうした取り組みに拍車をかけそうだ。
しかし、事業者への課税や責任の強化だけでは産廃問題の最終的な解決には不十分だ。
産廃の減量化や適正処理は大量生産・大量消費・大量廃棄型の生活スタイルを見直さない限り前進しない。
<英会話/ディスカッション:大量生産・消費型社会の見直し>
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