中・東欧地域を直撃した記録的な集中豪雨による洪水被害が深刻化しているのを受け、シュレーダー独首相ら関係各国首脳が欧州委員会のプロディ委員長を交え18日にベルリンで会談する。
《「世界の主な異常気象」に関して英語記事》
首脳会談にはオーストリア、チェコ、スロバキアが参加する予定。
16日までの洪水による避難者数はチェコ約20万人、ドイツ約13万人など計約33万人に達した。
家屋や公共施設、農産物などに深刻な被害が出ており、地域経済も大きな打撃を受けている。
欧州連合(EU)は16日にチェコに5770万ユーロ(約66億円)拠出することを決めるなど各国への緊急財政支援を急ぐ構えだ。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
ドイツでは東部ドレスデン近郊を流れるエルベ川の水位が通常より8.3メートルも上昇し、8.76メートル上昇した1845年以来、157年ぶりの水害となった。
《「国際的大河エルベ川」について英会話》
同国だけでも被害額は100億ユーロ(約1兆500億円)に上るとみられる。
農産物被害は小麦の収穫だけで約15億ユーロ以上、全体で数十億ユーロに上る見通し。
鉄道が冠水するなど交通機関にも被害が拡大、ドイツ鉄道は完全復旧には1年半はかかるとみている。
自動車大手フォルクスワーゲンのドレスデン工場が一時的に生産を停止するなど、工業生産の低下は避けられない。
[「産業活動への深刻な影響」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
シュレーダー首相は約4億ユーロの被災者支援策のうち1億ユーロ(約114億円)分の緊急援助を前倒しで実施すると表明。
〔英会話表現による言い換え〕
また、財務省は被災地に特別減税を実施する方針だ。
チェコでは1890年以来の大洪水といわれ、ブルタバ(モルダウ)川が流れるプラハ市の8%が浸水した。
中世に建てられた観光名所のカレル橋が閉鎖、周囲に集まる文化財への影響も懸念されている。
<英語にて解説:世界遺産のプラハ歴史地区>
当市では被害額が20億ドル以上に上るとみている。
オーストリアでも今回の洪水により民家1万戸が居住不能になったとみられ、地元メディアは「第2次世界大戦以来の損害」と伝えている。
政府は洪水被害の復興支援などのため、来年度に予定していた減税を延期すると発表。
また新型戦闘機の導入を削減するなど、財政政策を見直す方針だ。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
欧州中部を襲った洪水は偏西風の乱れが一因との見方が出ている。
専門家は「北半球の偏西風が南に蛇行して一部が分離し、低気圧のような渦になって欧州に居座った」と分析する。
《「偏西風の蛇行と分離」に関して英語論文》
ただ、こうした渦が欧州に停滞しているのは謎だという。
「エルニーニョ現象」が大気に影響を与えたとの声もあるが、地球温暖化との関連ははっきりしない。
ロシアの黒海沿岸でもバカンス中の観光客約60人が洪水の犠牲になった。
被害が集中したのは黒海北岸のクラスノダール州にある保養地。
ダムの貯水池が増水して堤防の一部が崩れ、さらに堤防を乗り越えた鉄砲水が下流の市街地を襲った。
<英語表現の工夫:鉄砲水>
大きな被害を出した要因としてダムの補修不備も指摘されている。
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