7日投票の英国総選挙は8日未明までの開票で、ブレア首相率いる労働党の圧勝が確実となった。
労働党の獲得議席は戦後最高を記録した1997年の前回選挙の議席に迫る勢いだ。
《「1997年の英総選挙」について英会話》
同首相は「2期連続して政権を担う労働党にとっての歴史的瞬間」と勝利宣言した。
英国放送協会(BBC)の出口調査などを基にした予測によると、労働党の最終獲得議席は414議席、保守党は167議席、第3党の自由民主党は52議席。
労働党は過半数(330)を大きく上回り、全野党との議席差は改選前とほぼ同じ170前後となる見通しだ。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
労働党の勝因としてはまず、好景気を実現した経済政策を中心とする実績を浸透させたことが挙げられる。
次に、巨額の財政黒字を減税ではなく、国民に不満が強い公共サービス改善に向けた財政支出の拡大によって還元すると公約。
<英会話/ディベート:好景気維持と公共サービス改善の両立>
ブレア首相の個人的人気が最後まで衰えなかったことも大きい。
一方の保守党は選挙戦で、旧来の公約をなぞったような大型減税案を打ち出し、欧州単一通貨ユーロへの参加反対を訴えた。
だが、有権者には将来の国民投票で意思表示すればよいとの認識が定着しており、空振りに終わった。
<英語表現の工夫:空振りに終わる>
ブレア首相は4年前の総選挙で、「ニューレーバー(新しい労働党)」を掲げ、サッチャー首相時代以来通算18年間政権の座にあった保守党から政権を奪還。
右でも左でもない「第三の道」と呼ばれる中道左派路線を推し進め、支持者を中間層から産業界にまで大きく広げてきた。
[「中道左派の支持拡大」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
ブレア政権2期目の最大の課題はユーロ参加問題だ。
参加に前向きな労働党が安定多数を確保する見通しとなったことで、首相は幅広いキャンペーンを展開する方針。
今後2年内の03年6月までに英国経済が「ユーロ参加の5条件」を満たしているかどうか判断した上で、参加の是非を問う国民投票を実施する段取りだ。
《「ブレア政権の掲げるユーロ参加5条件」に関して英語にて解説》
99年1月の通貨統合第一陣への参加を見送った英国ではユーロ導入への慎重論が根強く、世論調査でも7割近くが反対している。
[「英国民のポンドへの愛着」を英会話のトピックとして]
だが、「明確な反対」は3割程度。
「政府の訴え方次第では、国民投票で賛成多数を得られる」との見方もある。
第2の難問は参加する際の為替レートだ。
最近のユーロ・ポンド相場は英産業界が考える適正相場よりも2割前後もポンド高・ユーロ安の水準にある。
だが、通貨統合を規定するマーストリヒト条約は「2年間、独自に通貨の切り下げを行わないこと」を参加条件に挙げている。
国内産業の競争力維持にはポンド安が必要でも、政府・中央銀行は通貨安を誘導する措置をとれない。
<英語論文:ポンド高とユーロ参加問題>
5月のイタリア総選挙でベルルスコーニ元首相率いる中道右派が勝利したことは、他の欧州中道左派にショックを与えた。
《「中道左派の退潮」に関して英語論説》
そのため、英総選挙の結果にシュレーダー独政権、ジョスパン仏内閣などは同じ中道左派として安どの表情を見せている。
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