トルコ最大の都市イスタンブール中心部にある英国総領事館と英系銀行HSBCの現地本部付近で20日午前、自爆テロとみられる爆発がほぼ同時に発生した。
<英語にて解説:英系銀行HSBC>
同国政府によると少なくとも26人が死亡、約450人が負傷した。
死亡者には英総領事も含まれている。
イラク問題や対テロ戦争で結束する米英の首脳会談にタイミングを合わせ、英国関連施設を標的にした犯行の可能性が高い。
イスラム国家ながらイスラエルとも友好関係にあるトルコへの警告の意味も込められているとみられる。
《「トルコとイスラエルの緊密な関係」に関して英語記事》
同時爆破テロを受け、ストロー英外相は「英国が狙われた」と明言。
英政府はアフガニスタン戦争とイラク両戦争を通じ、米国を最も積極的に支えた経緯から、中東地域で英系施設を狙ったテロ攻撃がありうると警戒を強めていた。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
事件後、国際テロ組織アルカイダとトルコのイスラム過激派組織「イスラム大東方攻撃隊・戦線(IBDA−C)」が連名で犯行声明を出した。
IBDA−Cはトルコにイスラム法を厳格に適用するイスラム国家の創設を目的とし、1980年代半ばに設立。
政教分離を国是とするトルコ政府に反発し、爆薬や火炎瓶で要人を狙うほか、無差別テロも実行してきた。
<英語論説:トルコの政教分離>
アフガンとイラクに相次いで武力行使するとともに、イスラエルの対パレスチナ強硬策を容認している米国の中東政策に対するアラブ民衆の不満を背景に、テロ組織が活動を活発化。
ブッシュ米政権はイラクを手始めに中東全域を民主化する構想を掲げるが、イラクとイスラエルだけでなく周辺国にもテロを拡大させる結果をもたらしている。
[「ブッシュ大統領の中東民主化構想」を英会話/ディベートのテーマとして]
サウジアラビアの首都リヤドで今月9日、5月に起きた連続爆破テロ後、厳重になっていた警戒網の穴を突く形で、郊外の外国人居住区の集合住宅施設で爆弾テロが起き、17人が死亡した。
<英語表現の工夫:警戒網の穴を突く>
5月のテロは米国のパウエル国務長官、9日はアーミテージ国務副長官のサウジ訪問に合わせて実行された。
テロはブッシュ政権への警告の意味合いが色濃い。
サウジでは、同国王室が米英によるイラク占領に反対せず、逆に米国と歩調を合わせていることへの民衆の反発が高まっている。
[「王室と民衆との間の溝」を英会話のトピックとして]
9日のテロの現場はナエフ内相の私邸にも近いといい、過激派の矛先は親米路線の王室にも向けられているとの見方も出ている。
15日にはイスタンブールにある2カ所のユダヤ教礼拝所近くで自動車を使った自爆テロが相次ぎ、少なくとも20人が死亡した。
<英会話/ディスカッション:トルコでのテロの続発>
IBDA−Cが犯行声明を出したが、トルコ政府はアルカイダが何らかの形で関与した可能性を示唆した。
同国は国民の98%がイスラム教徒だが、親米国として北大西洋条約機構(NATO)にも加盟し、欧州連合(EU)加盟を目指している。
《「中東の親米国家」について英会話》
だが、中東に渦巻く米国に対する不満はトルコでも例外ではなく、反米勢力の行動を心情的に支持する民衆は少なくない。
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