北朝鮮は10日、核拡散防止条約(NPT)から脱退し、国際原子力機関(IAEA)との保障措置協定の拘束からも完全に脱すると宣言した。
《「核拡散防止条約」に関して英語にて解説》
これにより北朝鮮の核開発を巡る朝鮮半島の緊張がさらに高まるのは確実だ。
7日の日米韓局長級政策調整会合で米国が北朝鮮と「話し合う用意がある」と対話に前向きな姿勢を表明したばかりである。
このタイミングを考えると、北朝鮮は米国に対話を急がせるとともに対米交渉力の強化を狙っているとみられる。
イラク問題を片付けた後の米国は軟化姿勢を一変させるとの危機感があるためだ。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
また、北朝鮮は友好関係にある中国、ロシアを引き込んで対米交渉を有利に運ぼうとしているとの指摘もある。
〔英会話表現による言い換え〕
NPTが認める核兵器保有国である中ロ両国は、核不拡散体制の崩壊を防ぐため、米国との仲介に動かざるを得ないという読みだ。
日米韓にとって最大の不透明要素は「北朝鮮が本気で核兵器開発を模索しているかどうか」だ。
北朝鮮は声明で「核兵器を製造する意思はなく、現段階での核活動は唯一、電力生産をはじめ平和的目的に限られる」と説明している。
北朝鮮は依然として核問題を対米交渉の切り札として利用しようとしているとみてよい。
[「北朝鮮の真意」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
昨年10月、ケリー米国務次官補が訪朝後に北朝鮮の核開発を公表。
《「北朝鮮の核問題を巡る最近の動き」について英語記事》
11月には朝鮮半島エネルギー機構が北朝鮮の枠組み合意違反などを非難、重油提供を凍結した。
これに対し北朝鮮は12月、核関連施設の稼働や建設を再開すると表明。
その後、核施設の封印撤去や燃料棒の搬入など行動をエスカレート、年末にはIAEA査察官を国外退去させた。
IAEAは今月6日、北朝鮮に核開発の即時放棄を求める決議を採択したが、経済制裁なども発動可能な国連安保理への付託については北朝鮮に数週間の猶予期間を与える判断を示していた。
<英語にて解説:国連とIAEAの関係>
NPT脱退宣言を受けてIAEAは、安保理付託を再び協議することで北朝鮮に圧力をかける見通しだ。
今後の対応を決める上で焦点となるのは脱退の発効時期だ。
規定上は宣言から3カ月後だが、北朝鮮は1993年3月にNTPからの脱退を宣言し、6月の発効直前に留保した。
これを踏まえて北朝鮮は声明で「脱退効力は即時発生する」と主張している。
《「脱退時期の解釈」に関して英語論説》
北朝鮮は93年にも核危機を演出した。
[「93年危機の再現」を英会話のトピックとして]
米国による武力行使の可能性もあったが、事態打開のため94年6月にカーター元大統領が訪朝。
同年10月、核施設封印を条件に米国が北朝鮮に軽水炉と重油を提供する枠組み合意に両国が調印し、危機が終息した。
だが、今回も北朝鮮の思惑通りに事が運ぶ保証はない。
米中ロは同時テロ後、協調関係を一段と強めている。
太陽政策を維持する韓国が単独で国際社会に与える影響力には限界がある。
危機をつくって譲歩を引き出す北朝鮮の瀬戸際外交は危険水域に入ってきた。
<英語表現の工夫:危険水域>
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