厚生労働省が22日公表した人口動態統計(年間推計)によると、2005年の出生数が死亡数を下回り、日本の人口が1万人の「自然減」となった。
[「人口の自然減」を英会話のトピックとして]
1899年に今の形で統計が始まってから初めてのことである。
人口動態統計は自治体に届けられる出生・死亡・婚姻などの情報を基に厚労省が作成する。
年間推計の調査対象は日本にいる日本人の動向で、日本人が海外に出国したり、外国人が日本に入国したりする社会的な人口移動は含んでいない。
<英語論文:総人口に対する社会移動の影響>
自然増減と社会増減を合わせた総人口は近く公表される国勢調査で判明する。
推計によると、05年の日本人の出生数は前年から4万4千人減って106万7千人となり、過去最低を更新した。
《「日本人の出生数の推移」に関して英語記事》
出生数が前年を下回るのは5年連続で、この間の年平均減少数は約2万5千人。
このペースが続けば、08年ごろには年間出生数が100万人を割り込む計算だ。
厚労省は、晩婚化や未婚化に伴い、04年に1.29と過去最低だった合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の平均数)が05年以降にさらに低下する可能性があると分析している。
《「晩婚化・未婚化」について英会話》
加えて、子供を作る親世代がすでに減少傾向にあることが出生数の減少に拍車をかける。
合計特殊出生率が人口を維持するのに必要な2.1を恒常的に下回る少子化が始まったのが74年。
<英会話/ディスカッション:主要国の合計特殊出生率>
70年代後半に生まれた世代が今、出産の多い年齢層である20代後半になっており、当面、母親人口は縮小の一途をたどる。
政府は少子化対策として、95年度の「エンゼルプラン」、00年度からの「新エンゼルプラン」を基に保育サービスの充実などを進めてきたが、この10年で出生数は1割減った。
対策の効果は乏しく、いまだに有効な政策の方向性が定まっていないのが実情だ。
[「効果の乏しかった少子化対策」を英語論説のテーマとして]
与党が対策に大きく踏み出せなかった背景には家族観を巡る世代間でのズレがある。
一方、05年の死亡数は前年比4万8千人増の107万7千人となった。
1947年(113万8千人)に次いで多く、前年を上回るのは5年連続である。
最近は高齢化が進み構造的に死亡が増えやすくなっている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
春先のインフルエンザ流行で約2万人が死亡したことも影響したと厚労省ではみている。
死亡数は今後も高水準が続くと予想される。
総人口に占める65歳以上の割合はすでに約20%を占めるまでになった。
<英語にて解説:高齢化率の上昇>
03年には死亡数が100万人を超え、団塊世代が90歳前後となる40年にはこれが170万人に拡大、自然減は90万人を上回る見込みだ。
国立社会保障・人口問題研究所の人口推計では、日本の総人口は07年から減少に転じるとされていた。
人口構造を大きく変える少子高齢化は予想を上回るスピードで進んでいる。
05年の人口が自然減になったことで、日本が人口減時代に突入する時期は想定より早まる可能性が高まった。
[「人口減時代に対応したシステム作り」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
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