エジプトを代表するリゾート地シャルムエルシェイクで23日未明、自動車に仕掛けられた爆弾などが連続して爆発した。
[「ムバラク政権の治安政策」を英語論説のテーマとして]
治安当局などによると死者数は少なくとも88人、負傷者は200人に達した。
犠牲者数では1997年に南部の観光地ルクソールで日本人10人を含む62人がイスラム原理主義組織「イスラム集団」に殺害された事件を上回り、エジプトでは最悪の無差別テロとなった。
《「エジプトで近年起きた主なテロ事件」に関して英語にて解説》
爆発は中心部のオールドマーケットと、そこから北へ約6キロ離れたナーマ・ベイ地区にある高級ホテル、同地区のタクシー駐車場の3カ所で、約15分の間に次々と起きた。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
ホテルでは、犯人が乗った自動車が玄関に突っ込み、自爆した。
シャルムエルシェイクはエジプト東部のシナイ半島南端に位置するリゾート地で、世界屈指のダイビング・スポットとして有名だ。
<英語表現の工夫:世界屈指>
高級リゾートホテルが立ち並び、イスラエルや湾岸諸国だけでなく、欧州からも多くの観光客が訪れる。
今年2月にイスラエルとパレスチナ自治政府の首脳会談が開催されるなど、国際政治の舞台にもなっている。
現地は観光シーズンのピークで外国人観光客で賑わっていた。
死傷者にはイタリア人、英国人、オランダ人、カタール人、クウェート人などが含まれる模様だ。
観光立国エジプトでは、治安の悪化は外貨収入の減少に直結するため、エジプト経済に打撃を与えることは必至だ。
[「ムバラク政権への打撃」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
エジプトでは昨年以降、外国人が多数訪れる観光地を標的にしたテロが相次いでいる。
《「観光客を狙った無差別テロ」について英会話》
昨年10月、シナイ半島のリゾート地タバの高級ホテルなどでイスラエル人らを狙った連続爆破テロが起き、約160人が死傷。
今年4月にはカイロの観光地、ハンハリーリ市場で起きた自爆テロでフランス人ら3人が死亡した。
「レバントとエジプトのアルカイダ組織、殉教者アブドラ・アッザム旅団」と名乗るグループが同日、ウェブサイトに犯行声明を出した。
7日と21日にロンドンで起きた同時テロ後に声明を出した国際テロ組織アルカイダ系の「アブハフス・アルマスリ旅団」との関連性は不明だが、キリスト教やユダヤ教への敵意をむき出しにする姿勢は共通している。
<英語記事:ロンドン同時テロの経緯>
アルカイダ系を名乗り、テロを実行するイスラム過激派の各グループ間に必ずしも緊密な連携はない。
米同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディンを中心にアフガニスタンで設立されたテロ組織と結び付きがないケースも多い。
今回のテロについて「ロンドンでのテロが他のグループを感化した可能性が高い」と指摘する専門家もいる。
[「テロの連鎖」を英会話のトピックとして]
米英軍などのアフガニスタンとイラクへの介入に対する反発から、イスラム教徒の間には反欧米感情が国を超えて浸透している。
<英会話/ディベート:米国の対テロ戦争>
イラク戦争後の03年には中東で欧米人を標的にした爆弾テロが頻発した。
今回のテロも、中東で高まる反欧米感情を反映したものとみられる。
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