ブッシュ米大統領は20日昼、連邦議会議事堂前の特設会場で就任の宣誓をし、第2期ブッシュ政権が正式に発足した。
共和党の大統領で2期目を迎えるのは、1985年のレーガン大統領以来のことである。
《「近年、再選を果たした大統領」について英会話》
ブッシュ大統領は就任演説で、世界に専制政治が存在する限り「暴力が集まり、破壊的な力となって、どんなに防衛した国境をも越えて致命的な脅威となる」と指摘。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
「平和への最善の道は自由を世界全体に拡大することだ」と自由拡大の意義を強調し、「究極の目標は世界の専制政治の終焉だ」と表明した。
2002年の一般教書演説では、大量破壊兵器の開発疑惑があった北朝鮮、イラン、イラクの3カ国を「世界の平和を脅かすために武装する悪の枢軸」と呼び牽制した。
<英語にて解説:ブッシュ政権の外交政策のキーワード>
今回の演説では敵を「専制政治」という言葉で括り、個別の国には言及しなかったものの、米国が専制国家とみなす北朝鮮やイランなどを念頭の置いていることは明らかだ。
大統領は専制国家に対し「永遠の過ちである圧政をとるか、永遠に正しい自由を選ぶかだ」と警告を発した。
《「専制国家への対決姿勢」に関して英会話/ディスカッション》
大統領は1期目にもこうした「踏み絵外交」を展開したが、敵味方の峻別基準はテロ支援の有無だった。
2期目は、自由主義を受け入れない国家を敵対国とみなす傾向が強まりそうだ。
「踏み絵」を突き付ける大統領の手法には、互いの対決色を煽る危険があるとの見方も多い。
[「踏み絵外交」を英会話/ディベートのテーマとして]
自由主義社会を「善」、そうでない国を「悪」と分類した上での「勧善懲悪」の世界観に対しても批判がある。
今回の演説からは米国の保守思想を支える「政府からの自由」という理念も色濃くうかがえる。
<英会話/ディスカッション:「小さな政府」の追求>
ブッシュ大統領が内政面の最重要課題に挙げるのが公的年金の抜本改革だ。
公的年金制度は大恐慌の1930年代に、政府の役割を強化するニューディール政策の一環として導入された。
大統領は改革の柱として、老後のために各人が蓄える「個人年金勘定」の創設を提唱している。
この日、首都ワシントンでは反ブッシュ派とブッシュ支持者の小競り合いが随所で見られた。
政権を取り巻く米世論の亀裂はイラク戦争から大統領選を経て広がったままだ。
《「米国民の意見対立」に関して英語記事》
政権の支持率も5割弱にとどまり、2期目当初としては戦後最低水準にある。
最近の世論調査では「イラク戦争は戦う価値がなかった」との回答が半数を超え、年金改革の支持者も少数派だ。
身内の与党・共和党内にもイラク政策や財政政策に批判が広がりつつある。
[「財政赤字の削減」を英語論文のテーマとして]
このままでは、06年の中間選挙で共和党が議席を減らし、それ以降の政策遂行にも支障が生じかねない。
大統領は「我々は同盟国の助言と支援を頼りにしている」と呼びかけ、同盟重視の立場を強調した。
イラク戦争で対立した仏独は関係改善に向け一定の譲歩に応じる方針だが、イランの核問題など米欧間には調整課題が多く、関係の完全修復には時間がかかりそうだ。
<英語論説:米欧関係の修復>
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