平壌を訪問中の韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮の金正日総書記が8項目にわたる「南北関係の発展と平和繁栄のための宣言」に署名し、7年ぶりの南北首脳会談が4日、閉幕した。
[「00年の南北首脳会談」を英語記事のトピックとして]
北朝鮮がこの時期に会談に応じた理由の1つには、同国にとって最も重要な交渉相手である米国が年初から対北朝鮮政策を強硬路線から対話路線に転じたことがある。
《「米国の姿勢軟化の背景」に関して英会話/ディスカッション》
米国は3月、金融制裁を解除し、足踏みしていた6カ国協議も再び始動した。
半世紀以上も分断されてきた朝鮮半島で共同文書がまとめられたのは、72年の「南北共同声明」、91年の「南北基本合意書」、00年の近大中大統領の訪朝時に署名した「南北共同宣言」に続き、4回目となる。
かつての南北合意はいずれも、その時々の国際政治の現実にもまれて有名無実化したが、今回は双方が「実現可能」とみる具体的項目が列記された。
〔英会話表現による言い換え〕
宣言は「(朝鮮戦争の)休戦状態を終結し、恒久的な平和体制を構築する」ため、「直接に関係した3者または4者の首脳が半島で会談する」とし、米国と中国も交えた首脳会合開催を提唱した。
朝鮮戦争は53年に米中朝の3者が休戦協定に調印したが、その後も終戦を意味する平和協定や条約を結び直していないため休戦状態が続いている。
《「休戦状態にある朝鮮戦争」について英会話》
しかし、朝鮮半島の実質的な平和体制構築には北朝鮮の核問題解決が不可欠だ。
ブッシュ米大統領は9月のシドニーでの米韓首脳会談で、北朝鮮が非核化を実現すれば平和協定を締結する用意があると言明、北朝鮮が核を放棄しない限り応じないとの意思を明確にした。
[「核放棄が前提との立場」を英会話/ディベートのテーマとして]
核問題では6カ国協議に言及し、北朝鮮が核放棄を確約した05年9月の共同声明と、北朝鮮核施設の無能力化などを目指した今年2月の合意が「順調に履行されるように共同で努力する」と表明するにとどまった。
宣言からは南北が核問題にどう取り組むのか具体策は見えてこない。
核問題には深入りせず、6カ国協議にげたを預けた印象だ。
<英語表現の工夫:げたを預ける>
両首脳は平和定着の一環として、北朝鮮の海州周辺の海域を「西海(黄海)平和協力特別地帯」に指定し、共同漁業水域や平和水域の設定などを進めることで合意した。
南北で意見が対立する黄海上の北方境界線(NLL)の変更協議も打ち出したため、韓国内の保守派から反発が起きている。
《「北方境界線を巡る対立」について英語にて解説》
盧大統領は「経済的な相互依存関係が最大の安保政策」と強調、宣言には経済協力に向けた行動計画がいくつも盛り込まれた。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
白頭山観光の実施とソウルからの直行路の開設、南浦などでの「造船協力団地」の建設、南北経済協力の象徴である開城工業団地の拡大、新しい経済特区の建設などが並んだ。
韓国の盧大統領の任期は来年2月で切れる。
次期大統領が今回の合意実現にどこまで積極的に取り組むかは未知数だ。
<英語記事:韓国大統領選の動向>
特に経済協力の推進は巨額の財政負担を次期政権に強いるため、実行には不透明さが伴う。
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