米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した金融システム不安が深刻化し、円高・ドル安と株安が加速している。
<英語にて解説:サブプライムローン問題の経緯>
17日の東京市場では一時、円相場が1ドル=95円台に突入し、日経平均株価は1万2000円を割り込んだ。
米連邦準備理事会(FRB)は16日、金融危機回避のため、公定歩合を緊急に0.25%引き下げ年3.25%にすると同時に、証券化市場へ資金供給を拡大する新制度を創設することを決めた。
《「新貸出制度」について英語にて解説》
FRBは今回の異例の措置について「市場の流動性を支え、適正な機能を果たせるように狙った」と説明した。
FRBは18日に定例の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えながら、公定歩合のみ引き下げを事実上前倒し発表することで、金融機関の資金繰りに配慮する当局の姿勢を明確にした。
[「政策決定のスピード重視」を英会話のトピックとして]
一方で、FOMC2日前の緊急決定は事態の切迫している証拠と受け止められた。
米大手銀行JPモルガン・チェースは16日、サブプライム問題で経営危機にある米証券大手ベアー・スターンズを買収すると発表した。
買収価格は、総額2億3600万ドル(約230億円)、1株当たり約2ドルで、ベアーの先週末の終値30ドルを大幅に下回る水準となった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
JPモルガンによるベアーの救済合併は東京市場の取引開始前に発表されたが、市場心理を悪化させる結果となった。
あまりに低い買収価格に、ベアーが巨額の含み損を抱えているとの警戒感が強まり、他の米系金融機関にも否定的な見方が広がった。
<英会話/ディスカッション:「第2のベアー」懸念>
FRBの決定は米景気後退への懸念を払拭するには至っておらず、リスク回避の狙いからドル売りが一段と進んだ。
17日の東京外国為替市場で円相場は急伸し、一時、1ドル=95円77銭と12年7カ月ぶりの円高・ドル安水準となった。
[「円ドル相場の推移」を英語論説のテーマとして]
金融不安の拡大から、東京株式市場では株安が一段と加速した。
《「世界的な連鎖株安」について英会話》
日経平均株価は前週末から一時550円も下落し、1万1787円51銭で取引を終えた。
市場関係者の多くが下値のメドとみていた1万2000円を2年7カ月ぶりに割り込んだ。
この日は寄り付きから銀行や証券など金融株関連の下げが目立った。
急速な円高・ドル安による業績悪化懸念が高まり、自動車や電機など輸出関連株も総崩れとなった。
〔英会話表現による言い換え〕
さらに、東京証券取引所第1部の上場銘柄のうち6割近くで、時価総額が純資産の何倍かを示す「PBR(株価純資産倍率)」が1倍を下回った。
業績が好調な企業も目立ち、日本株が極端に売られている状況を表している。
国内では日銀総裁人事を巡る政局の混乱が市場の不安を増幅している。
政府は17日朝、19日に任期が満了する福井俊彦総裁の続投策を民主党に打診したが、民主党が受け入れを拒否した。
<英会話/ディベート:日銀総裁人事を巡る与野党対立>
このため、日銀総裁ポストの空白懸念が強まり、相場の混乱に拍車をかけた。
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