政府は17日の閣議で、中国からの輸入が急増している農産物3品目について、緊急輸入制限措置(セーフガード)を23日から暫定発動することを正式に決めた。
《「中国製品の輸入急増」について英会話》
週内に世界貿易機関(WTO)に通告する。
セーフガードは、関税率を引き上げたり数量を制限したりして、輸入急増に歯止めをかけることをいう。
幅広い品目を対象とする一般セーフガードや繊維製品が対象の繊維セーフガードなどがある。
WTOによると「発動が遅れると国内事業者が大きな被害を受ける」ことが暫定発動の条件だ。
<英語にて解説:セーフガードの発動条件>
暫定セーフガードの対象となるのはネギ、生シイタケ、畳表(イグサ)の3品目。
これらについて輸入品が国内市場に占める比率(2000年)を見ると、ネギは8.2%だが、生シイタケは38.5%、畳表は59.4%となっている。
[「3品目の市場占有率の推移」を英語記事のトピックとして]
輸入は、ほぼ全量が中国産だ。
関税率の引き上げは、一定数量までは低率の現行関税(ネギ3%、生シイタケ4.3%、畳表6%)での輸入を認め、その枠を超える分については高率の追加関税(ネギ256%、生シイタケ266%、畳表106%)をかける「関税割当制度」を採用した。
国内の消費者や中国に配慮したものだ。
《「関税割当制度の採用」に関して英会話/ディスカッション》
現行の低率関税を適用する数量は、輸入が急増した昨年を除く1997〜99年の平均輸入量をもとに決めた。
暫定セーフガードの発動でも3品目の価格がすぐに急騰することはないとの見方が大勢だ。
[「国内販売価格への影響」を英会話のトピックとして]
ただし、農水省の試算によると、輸入が昨年のペースで続いた場合、ネギは7月、生シイタケは10月、畳表は8月に現行税率での輸入枠を使い切ることになる。
日本は農産物などを対象にした一般セーフガードの発動実績は暫定、正式措置ともなく、今回の暫定発動が初めてのケースだ。
WTOなどの場でセーフガードや反ダンピング措置の発動要件の厳格化を強く求めてきた日本にとって通商政策の大きな転換点となる。
[「日本の通商政策」を英語論文のテーマとして]
暫定セーフガードの発動期間は200日間で、11月8日に期限を迎える。
その後、期間4年間の正式セーフガードに移行するかは、中国側が輸出の自主規制案を提示するかなどをもとに、暫定期間中に判断する。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
中国政府は17日、日本が暫定セーフガードを正式決定したことについて「断固反対」を表明するとともに、「貿易上の問題は両国間の協議を通じて解決すべき」と述べ、23日の発動ぎりぎりまで、日本側との話し合いに応じる姿勢を示した。
ただ、日本政府が発動した場合、中国側が報復措置を打ち出す可能性が大きい。
<英語記事:中国が過去に行った報復措置>
今回の措置については政府内にも、ネギは輸入品のシェアが1割に満たないなど、WTOが定めている発動の条件を満たしているか疑問視する声がある。
また、繊維など他の品目でも発動申請が相次ぐ懸念がある。
[「輸入制限の拡大」を英会話/ディベートのテーマとして]
発動の乱発は海外からの反発を強め、自由主義貿易を掲げる日本にとって好ましいことではない。
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