ロシア大統領選は2日投票が行われ、3日未明までの開票の結果、現職のプーチン大統領が後継指名したドミトリー・メドベージェフ第1副首相が7割を超える得票率で当選を決めた。
5月7日、新生ロシアの第3代大統領に42歳という若さで就任する。
《「若き大統領の誕生」について英会話》
開票率97%時点でメドベージェフ氏の得票率は、前回の大統領選でプーチン氏が獲得した71.3%に迫る70.2%。2位のジュガノフ共産党委員長(17.8%)を引き離した。
投票率は04年大統領選や昨年12月の下院選を上回る67%に達する見通しだ。
<英語記事:前回04年の大統領選>
メドベージェフ氏はプーチン大統領と同じレニングラード大学法学部を卒業。
サンクトペテルブルク市の副市長だったプーチン氏に法律顧問として仕え、99年に首相となった同氏に招かれてクレムリン入り、大統領府長官を経て05年に第1副首相に就任した。
クレムリンの一部では「大統領の養子」と呼ばれたという。
《「プーチン氏との世代差」に関して英語にて解説》
2日夜、大統領とそろって支持者の前に現われたメドベージェフ氏は、勝利宣言後、「プーチン路線を継承するチャンスを得た」と語った。
大統領は「この勝利は過去8年間、大きな成功を収めた路線の継承を保証するものだ」と応じた。
[「新政権の路線継続」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
早くも3日には、新政権が資源外交で強硬路線を踏襲することを示す象徴的な動きがあった。
メドベージェフ氏が会長を務める天然ガス独占会社ガスプロムがウクライナ向けのガス供給を削減したのだ。
北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けた動きを加速した同国の親欧米政権に圧力をかける狙いとみられる。
<英会話/ディベート:エネルギー供給の政治利用>
メドベージェフ氏は、圧倒的な人気を誇るプーチン氏を首相に任命する考えを表明しており、5月以降のロシアは2人の指導者が率いる「双頭体制」に移行する。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
次期大統領は、初の記者会見で「大統領の職場はクレムリン。首相はホワイトハウス(首相府)だ」と強調、
プーチン大統領が新政権で首相となった後もクレムリンで実権を握るとの見方を否定した。
しかし、選挙での圧勝が大統領の後ろ盾に負うところが大きいことは明らかで、プーチン氏が新政権下でも強い影響力を維持することは間違いない。
<英語論説:プーチン氏の影響力維持>
また、メドベージェフ氏は「憲法は、外交政策は大統領が決定すると定めている」とも述べたが、具体的な外交政策を語ったことはほとんどない。
一方、プーチン氏は外交への影響力維持に意欲を見せており、クレムリン筋は「外交は引き続きプーチン大統領が司令塔」と断言している。
〔英会話表現による言い換え〕
現政権がNATO拡大や米国が計画する東欧へのミサイル防衛配備に激しく反発し、安全保障を巡る欧米との対立が先鋭化する中、政権内のリベラル派からは「西側に対する外交路線を修正しなければならない」との声も出ている。
メドベージェフ氏は人脈的にリベラル派の経済閣僚に近いとされる。
《「欧米との関係改善」について英会話/ディスカッション》
対西側政策を巡る対立から双頭体制に亀裂が入る可能性もある。
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