総務省が28日発表した7月の完全失業率(季節調整値)は、最悪だった前月を0.1ポイント上回る5.0%となり、現在の調査方式が始まった1953年以来初めて5%の大台に乗った。
《「失業率の5%台乗せ」について英会話》
労働力人口に占める完全失業者の割合を指す完全失業率は、総務省が毎月調査している。
完全失業率を男女別にみると、男性が5.2%で過去最悪を更新し、女性は4.7%だった。
〔英会話表現による言い換え〕
男女ともに前月より0.1ポイントずつ上昇した。
完全失業者数は原数値で330万人。
前年同月より23万人増え、7月としては過去最多となった。
日本の失業率は金融危機に直面した98年の4月以降4%台で推移し、今年の5、6月はこれまでの過去最悪と並ぶ4.9%だった。
欧米主要国の最近の失業率は、米国が4%台半ば、英国が3%台前半で安定しており、日本より低い。
一方、ドイツやフランスは8〜9%台と高止まり状態が続いている。
<英語記事:主要国の失業率>
厚生労働省が同日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は0.60倍と前月より0.01ポイント低下した。
《「有効求人倍率」について英語にて解説》
有効求人数は前月比1.1%増、有効求職者数は前月比1.6%増だった。
厚労省は7月の失業率が過去最悪となったことを受けて、雇用情勢についての判断を前月までの「予断を許さない状況にある」から下方修正し、「厳しさを増している」に改めた。
[「雇用情勢の判断」を英会話のトピックとして]
先行きについても「当面の景気や構造改革で悪化する要素が大きくなる」との厳しい見方を示した。
就業者数は6452万人と4カ月連続で減ったが、種目別では製造業が1288万人で前年同月から58万人の減少となった。
これは前月の43万人減を上回る減少幅で、製造業の雇用喪失が急速に進んでいることを示している。
<英会話/ディスカッション:製造業の大幅悪化>
就業者数の減少は繊維からIT関連の電機まで幅広い業種に及ぶ。
背景にはIT不況に加え、国内の製造現場の空洞化がある。
先行指標となる新規求人数は電気機械器具製造が前年同月を51.2%も下回った。
これに追い打ちをかけたのが、自営業者の自主廃業や建設業の失業者の増加だ。
雇用労働者数は15カ月連続で前年同月より増えたが、自営業者がこれを大きく上回る形で減少した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
建設業就業者は21万人減と8カ月連続で前年同月を下回った。
完全失業者の理由をみると、倒産や解雇などによる「非自発的失業者」は前年同月から横ばいの99万人だったものの、リストラに伴う希望退職などによる「自発的失業者」は前年同月比15万人増の114万人にのぼり、4カ月連続の増加となった。
[「自発的離職の増大」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
学卒未就職者も18万人と6万人増えた。
小泉純一郎内閣が今後、金融機関の不良債権の最終処理など構造改革を進めれば、失業率はさらに上昇するのが避けられない状況だ。
<英語論説:構造改革に伴う失業率悪化>
政府は補正予算を視野に入れ、雇用情勢の急速な悪化に備えた安全網(セーフティーネット)の拡充を急ぐ方針だ。
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