イラク南部のナシリヤにあるイタリア警察軍の駐屯地で12日午前、爆発物を積んだトラックを用いた自爆テロがあり、警察軍と同国軍の兵士15人、民間人1人のイタリア人16人が死亡。
イラク人も8人死亡した。
[「テロ攻撃の無差別性」を英会話のトピックとして]
イタリア部隊は、ブッシュ米大統領が5月1日に大規模戦闘の終結宣言を出した後、ナシリヤにいち早く展開、カラビニエリと呼ばれる警察軍や同国の陸軍など約2300人が駐留している。
《「イタリア警察軍」について英語にて解説》
警察軍は軍とは別に市内中心部に駐屯し、地元警察の指導を主な任務としている。
イラクでこれまでに起きた米英軍以外の外国軍に対する攻撃はいずれも少数の部隊に対するものだった。
8月16日に南部バスラでデンマーク軍兵士1人が銃撃戦で死亡。
11月6日には中部の町ムセイブでポーランド兵1人が待ち伏せ攻撃を受けて死亡した。
<英語記事:米英軍以外の外国軍への攻撃>
今回の爆弾テロは、駐屯地そのものを標的とした最大規模の攻撃となった。
南部のナシリヤで爆弾テロが発生したことで、イラクの抵抗勢力によるテロ攻撃が全土に拡散していることが明らかになった。
米中央情報局(CIA)も最新の調査で、治安悪化が首都バグダッドなど中心部だけでなく、これまで比較的安定しているとされてきた南部や北部も含む全土に広がるとの分析結果を米政府に提出したばかりだった。
《「治安悪化の拡大」に関して英会話/ディスカッション》
イタリア国内では、イラク南部での自爆テロで1回の攻撃による死者数としては「第2次大戦後の平和維持活動で最悪」とされる自国兵らの犠牲者が出たことで、派兵の是非を巡る与野党間の論戦が激しくなっている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
ベルルスコーニ首相は12日、「イラクの復興を支援する我々の意思は、どんな脅しにも屈しない」とする声明を発表。
チャンピ大統領も「我々は国際テロとの戦いを続ける」と述べ、軍派遣を継続する方針を示した。
《「部隊の駐留継続表明」について英会話》
これに対し、最大野党の左翼民主党を中心にイラクからの撤退を求める声が強まっている。
ブッシュ大統領と親密な関係を維持してきたベルルスコーニ政権の責任を問う声も噴出。
〔英会話表現による言い換え〕
ローマ法王もイラク戦争を支持した政府に批判的とされ、イタリア部隊のイラク撤退論が強まる可能性も出てきた。
福田官房長は12日、イラク復興支援のシンボルである自衛隊の「年内派遣」を明言した。
<英語にて解説:自衛隊派遣の流れ>
その同じ日に、自衛隊派遣予定地のサマワから約100キロしか離れていないナシリヤでイタリア軍を標的にしたテロが発生したことで、年内派遣が実現するかどうかは一段と不透明になった。
防衛庁では動揺の声が出ている。
同庁はこれまで、テロの発生地域はバグダッドを中心とした「スンニ派三角地帯」と呼ばれる地域に偏っているとの見方を示していた。
しかし、今月に入ってから、中部のナジャフや南部のバスラでも爆破事件などが起きている。
同庁にとって「南部は安全」との前提が崩れたことの衝撃は大きい。
[「治安評価の見直し」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
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