インドネシアのリゾート地バリ島の繁華街2カ所で1日夜、同時爆弾テロがあった。
邦人男性1人を含む22人が死亡、このうち3人が自爆犯とみられる。
負傷者は120人以上に達した。
同国では02年以来、毎年大規模なテロが起きていた。
《「インドネシアで4年連続大規模テロ」について英会話/ディスカッション》
爆発があったのは、バリ島南部のジンバラン地区とその近くのクタ地区。
午後7時半ごろ、ジンバラン地区の海岸沿いにある2軒のシーフードレストランで爆発が起こり、その約10分後、クタ地区にあるショッピングセンター内のレストランでも爆発があった。
[「繁華街での爆弾テロ」を英会話のトピックとして]
バリ島では02年10月、クタ地区のディスコで爆弾テロがあり、202人が死亡。
<英語にて解説:02年のバリ島爆弾テロ>
また、首都ジャカルタでも爆弾テロ事件が03年8月に米国系高級ホテル前(12人死亡)で、04年9月にオーストラリア大使館前(9人死亡)で発生した。
治安当局はいずれの事件もテロ組織ジェマ・イスラミア(JI)が実行したと断定している。
警察当局は今回の爆弾テロもJIによる犯行の疑いが強いとみて捜査に乗り出した。
過去3年間に爆弾テロの標的となったのは、いずれも欧米人が多数出入りする場所だ。
今回の爆発も外国人観光客が多く集まるバリ島の繁華街で起きており、過去の事件と共通性がある。
[「外国人に狙いを絞ったテロ」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
JIはインドネシア、マレーシア、フィリピンなど東南アジア各国で活動、この地域でのイスラム統一国家の樹立を最終目標としている。
中核メンバーは80年代にアフガニスタンで軍事訓練を受けた元義勇兵。
資金援助などを通じてアルカイダと関係があるとされる。
《「JIによるとみられるテロ」に関して英語記事》
組織の精神的指導者とされるアブ・バカル・バシル師は02年のバリ島爆弾テロに関与したとして逮捕され服役中だが、治安当局が主犯格と位置付けるマレーシア人幹部のアザハリ、ヌルディン両容疑者は逃亡を続けている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
2人は爆弾の製造やテロ実行犯の訓練を担当し、今回も2人の関与の可能性が指摘されている。
昨年10月に発足したユドヨノ政権はテロ対策を最重要課題に挙げてきた。
[「ユドヨノ政権の誕生」を英語論説のテーマとして]
大統領は就任直後、逃走中のJI幹部の早期逮捕を警察庁長官に指示。
今夏には、テロ再発を警戒するよう軍や警察に呼びかけていた。
それだけに今回の事件は政権にとって大きな痛手だ。
今回狙われたのは、いずれも警備が手薄で、気軽さを売りにするレストランだった。
相次ぐテロを受け、高級ホテルやショッピングモールなどを中心に警備体制を強化してきた治安当局の裏をかいた形だ。
大統領は2日、テロの標的のソフトターゲット化に対して、現状では治安対策が十分でないことを認めた。
《「テロ対策の難しさ」について英会話》
インドネシア経済は今年、6%近い経済成長を達成する見通しだ。
しかし、原油高で政府は1日、石油製品の大幅値上げを断行。
インフレ懸念が高まり、個人消費に停滞感が出始める中、大規模テロが発生した。
回復基調をたどってきた海外からの投資に冷や水をかける恐れもある。
<英会話/ディスカッション:インドネシア経済への打撃>
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