日本と韓国がともに領有権を主張する竹島(韓国名・独島)周辺での日本の海洋調査計画を巡り両国が対立していた問題で、外務次官協議は22日、双方がいったん譲り合う形で合意が成立し、海上での衝突という最悪の事態は避けられた。
〔英会話表現による言い換え〕
合意は(1)日本政府は海洋調査を中止する(2)韓国政府は6月の国際会議で海底地形の韓国名表記を提案しないが、必要な準備を経て適切な時期に推進する(3)両政府は排他的経済水域(EEZ)の境界画定交渉を5月中にも局長級で再開する、の3点。
《「EEZの境界画定交渉」について英語にて解説》
竹島は隠岐諸島の北西沖にあり、東島、西島と岩礁からなる。
総面積は約23万平方メートルで、東京の日比谷公園ほどの広さ。
周辺は豊富な水産資源に恵まれた好漁場だ。
日本政府は1905年、領土編入を閣議決定し、同年2月22日に島根県が帰属を告示した。
[「島根県による「竹島の日」制定」を英会話のトピックとして]
一方、韓国は52年に李承晩政権が朝鮮半島周辺の公海上に李ラインを設定して竹島をその内側に取り込み、54年からは警備隊を常駐させ、実効支配している。
65年の日韓国交正常化に際し、両国は竹島の領有権問題を棚上げした。
<英会話/ディスカッション:領有権問題の先送り>
EEZは、沿岸国が最大2百カイリの範囲で設定し、天然資源の調査や開発、漁業などの経済活動の主権的権利を持つ海域を指す。
日本と韓国では双方の中間線がEEZの境界となるが、両国が竹島の領有権を主張しているため、双方の主張するEEZが一部で重複する。
《「EEZの範囲を巡る対立」について英会話》
国連海洋法条約では、他国のEEZで科学的調査する場合、事前に説明し同意を得る必要がある。
海上保安庁の調査予定海域に日韓のEEZ重複海域が含まれるため、同意なき調査は国際法違反との韓国側の主張に対し、日本側は事前の説明手続きは不要と反論した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
海洋調査は海底の海山や海盆など海図作製に必要な地形を調べるもので、調査船から海底に音波を発射し調査域内の水深や形状を測定する。
<英語にて解説:海洋調査の方法>
政府が竹島周辺海域での調査に踏み切った背景には、国際水路機関などの共催で6月にドイツで開かれる国際会議がある。
会議では各国が海底の地名を持ち寄り妥当か検討するが、この場で韓国が竹島周辺海域を含む日本海の海底地形の韓国名を新たに登録しようという動きが出てきたため、対抗上、日本も最新のデータに基づく海図を作成する準備を進めることになった。
[「海洋調査計画の目的」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
海保庁が「6月30日まで竹島周辺海域で調査を実施する」との「水路通報」を公表したのが4月14日。
19日には韓国の海洋警察庁が周辺海域に非常警戒令を発令し、警備艇約20隻を集中配備。
調査船が韓国の主張するEEZに進入すれば、実力行使も辞さない構えだった。
《「竹島周辺海域での調査を巡る動き」に関して英語記事》
当面の危機は回避されたが、竹島の領有権を巡る対立は残ったままだ。
約6年ぶりにEEZの境界画定交渉が再開されても難航するのは確実で、竹島問題は今後も日韓の紛争の火種としてくすぶり続けそうだ。
<英語表現の工夫:火種がくずぶる>
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