アジア・アフリカ会議の首脳会議出席のためインドネシアを訪問中の小泉純一郎首相は23日夜、ジャカルタ市内のホテルで中国の胡錦濤国家主席と約50分間会談した。
両首脳の会談は昨年11月にチリのサンティアゴで開催されたアジア太平洋経済協力会議の首脳会議の際に行って以来、5カ月ぶりのことだ。
《「前回の首脳会談」に関して英語にて解説》
日中関係は1972年の国交正常化以来、最悪の状態といわれる中での首脳会談は、冒頭から反日デモの被害や歴史認識を巡って非難の応酬になった17日の外相会談とは対照的に、両国間関係の修復に追われて終わった。
[「17日の外相会談」を英語記事のトピックとして]
首相は中国での反日デモに伴う破壊活動について「中国政府には在外公館、企業、国民の活動に対し、適切な対応をお願いしたい」と要請した。
ただ、「首脳会談は外相会談と同じである必要はない」との考えに基づき、謝罪や賠償を言い立てることは避けた。
《「対話維持優先の首相の姿勢」について英会話/ディベート》
一方、胡主席は(1)侵略戦争への反省(2)72年の日中共同声明など3つの文書の原則と精神の尊重(3)台湾独立の不支持など日中関係に関する「5つの主張」を日本側に提示した。
<英語にて解説:日中関係に関する3つの文書>
主席自ら会談の終了後、記者団に明らかにした。
胡主席は「5つの主張」の中で、歴史認識や台湾問題で日本側に厳しく注文をつけたことを強調。
歴史認識については「反省を実際の行動に移してほしい。厳粛かつ慎重な態度で歴史問題を処理してほしい」と要請し、歴史教科書の検定問題にも言及した。
《「歴史問題における中国の強い態度」について英会話》
日中間の最大の焦点となっている靖国神社参拝問題は胡主席が提起したが、「この場でこういう具体的なことを話し合おうとは思わない」と語り、ことさら追及することはなかった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
首相も会談後の記者会見で、今後の参拝の可能性について「適切に判断することに変わりはない」と従来の主張を繰り返した。
中国では4月に入り毎週末に過激な反日デモが発生したが、北京の日本大使館や、上海市、広州市の総領事館によると、23日夜までに中国国内で反日デモが起きたとの情報はない。
中国共産党と政府が19日から一斉に展開した反日活動の封じ込めが功を奏した格好だ。
《「中国政府によるデモ封じ」に関して英会話/ディスカッション》
胡主席が首脳会談で、両国の関係改善に強い意欲を示した背景には、中国国内で盛り上がる反日行動のマイナスの側面が目立ってきたことがある。
行き過ぎた行動が体制批判に転化する恐れがあるとともに、国際的なイメージが低下すれば、中国の経済成長の主な源泉である海外からの投資に影響を及ぼしかねない。
[「中国の実利優先」を英会話のトピックとして]
両国の間には、東シナ海のガス田開発や日本の国連安保理常任理事国入り問題などの難しい懸案も横たわっている。
国際世論も日中関係の動向を注視する中、今回の会談ではとりあえずふたをかぶせ、これ以上の関係悪化を食い止めるのに精一杯で、一致したのは日中友好関係の維持といった原則論だけだった。
<英会話/ディスカッション:日中対立解消のカギ>
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