2日実施された米大統領選挙は3日午前、オハイオ州などの結果が未確定の段階で共和党のブッシュ大統領陣営が実質的な勝利宣言をし、民主党のケリー上院議員も敗北を認めたため、ブッシュ大統領の再選が決まった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕共和党大統領の再選は実に20年ぶり。
00年の大統領選に続き、開票結果が即日確定しなかった要因の一つには、今回から「暫定投票制度」が始まったことがある。
前回大統領選の混乱を受けて、02年に制定された「米国投票支援法」に基づいて導入されたもので、投票所の名簿に名前がなくても暫定的に投票が認められ、後に有権者登録が確認されれば有効票となる。
《「暫定投票制度の問題点」について英会話/ディスカッション》
オハイオ州の開票結果は3日午前6時時点で、ブッシュ氏がケリー氏に約13万6千票差をつけたが、未集計の暫定投票が最大で約17万5千票に上る可能性があった。
ただ、その場合でもケリー氏は約9割を獲得しなければ逆転できない計算となり、現実的に勝ち目はないと判断したようだ。
[「ケリー氏の現実的判断」を英会話のトピックとして]
米大統領選では、州ごとに割り当てられた選挙人の獲得を競い合い、過半数の270人以上を確保した候補者が当選する。
<英会話/ディベート:選挙人制度の賛否>
最新集計では、ブッシュ氏が254人(28州)、ケリー氏が252人(19州と首都ワシントン)を獲得した。
ブッシュ氏は前回、当落を決める選挙人獲得数で勝ったものの、総得票数で民主党候補のゴア副大統領に負けた。
大半の州が「勝者総取り方式」を採用しているためだ。
《「得票数と選挙人獲得数の逆転」について英会話》
しかし、今回ブッシュ氏は総得票数でもケリー氏に350万票以上の差をつけている。
事前の予想通り、前回に続き、再び大接戦となった。
両候補はとりこぼしもなく、それぞれ、共和、民主両党の地盤で確実に勝利を重ねた。
ブッシュ氏は共和党の牙城である南部各州で圧倒的な強さを見せたほか、移民の多い州も軒並みブッシュ支持に回った。
<英語記事:移民州ブッシュ氏支持の背景>
特に、フロリダ州を制して選挙人27人を確保したことで優位に立った。
一方、ケリー氏は民主党の牙城であるカリフォルニア、ニューヨークなど沿岸州の大票田を守るとともに激戦州のペンシルベニア州を制した。
両党の勢力図が固定する中、今回の大統領選の勝敗を決めたのは、オハイオをはじめとする中西部の「浮動州」だった。
《「浮動州」について英語表現の工夫》
大統領選と同時に実施された連邦議会選挙は、共和党が上下両院とも02年の中間選挙よりも議席を増やし、過半数を維持することが決まった。
共和党の優位が拡大したことで、ブッシュ大統領は懸案の政策課題を実現しやすくなる。
民主党は上院選で、院内総務のベテランが落選する波乱があった。
〔英会話表現による言い換え〕
大統領選で外交・安全政策が正面から論じられたのは、ベトナム戦争が争点となった68年以来のことだ。
ブッシュ政権のイラク政策を批判したケリー氏が善戦したことから、イラク戦争の評価を巡って米世論が真っ二つに割れていることが改めて鮮明になった。
[「二極化した米国の修復」を英語論説のテーマとして]
|