23日、建設省が進める徳島県・吉野川可動堰計画の賛否を問う徳島市の住民投票が実施され、即日開票の結果、建設反対票が賛成票を大きく上回って総投票者数の90.14%を占め、有権者数比で49.57%となった。
<英語にて解説:過去に実施された住民投票の結果>
投票率は54.99%だった。今回の住民投票には、条例の規定により投票率が50%に達しない場合は不成立という異例の制限が付いていた。
《「投票率による成立要件」に関して英会話/ディスカッション》
建設賛成派が直前になって、住民に投票棄権を呼びかける運動を進めたため、投票率も焦点になっていた。
徳島市の市長は同日、投票結果を受けて記者会見し、「投票結果を徳島市民の意思と認識し尊重したい。市としても反対する」と述べた。
一方、建設省は「従来に増して流域住民の安全のため事業が必要なことを説明していく」との談話を発表、対話をより重視しながらもあくまで計画を進める姿勢を示した。
[「結果にかかわらず推進という建設省の姿勢」を英会話のトピックとして]
国の公共事業を巡る住民投票は国内で初めて。
条例制定による住民投票はこれまで、原発や基地、産廃処理施設など地元にとっての「迷惑施設」が対象だった。
近年、環境保全や費用対効果の観点から大型公共事業の見直しを求める動きが全国各地に広がっている。
<英語記事:公共事業批判の動き>
吉野川可動堰計画は、吉野川の固定堰である石積みの第10堰が老朽化し、治水上危険だとして下流に可動堰を建設する計画だ。
98年7月に同省が事業再評価のため設置した審議委員会が「計画は妥当」と結論をまとめると、同計画を疑問視していた住民らは水質悪化などをもたらすと批判、住民投票を求める動きが始まった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
住民らは住民投票条例制定を求める署名活動を展開、99年1月に有権者の半数近い約十万人の署名を添えて、条例制定を市に直接請求した。
条例案は2月の市議会で否決されたが、4月の市議選で投票賛成派の議員が過半数を占めた。
6月に市議会は議員提案による条例案を可決、12月の議会で1月実施が決まった。
《「住民の粘り」について英会話》
建設省は95年、長良川河口堰建設など河川行政への批判を受けて、大規模事業の妥当性を評価する審議委員会を設置。
97年には河川法を改正し、河川整備計画には地域住民の意見を反映させることが盛り込まれた。
[「河川法改正の意義」を英語論説のテーマとして]
ここ数年は、河川事業に限らずダム事業や道路事業などで周辺住民の反対運動を抱え、建設省は住民との対話路線の旗を掲げている。
その一方で、今回の住民投票の意義を一貫して否定してきた。
「人の生命の安全を確保しなければならない治水には専門的判断が必要、住民投票にはなじまない」というのがその理由だ。
《「建設省が投票結果を過小評価する理由」について英会話/ディベート》
住民投票の結果には法的拘束力がないとはいえ、結果を無視すれば河川法改正の理念に反する。
建設省は投票で表明された住民の意思を可動堰事業にどう反映させるのか。
公共事業の計画段階から民意を生かして合意を形成する仕組みを模索していかなければならない。
<英会話/ディスカッション:住民との合意形成>
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