閣僚や国会議員の国民年金未納問題で年金不信が高まる中、衆院本会議は11日、年金保険料の負担増と給付抑制を軸とする年金制度改革法案を自民、公明両党などの賛成多数で可決した。
<英語記事:国会議員の年金未納問題を巡る動き>
民主党は反対したが、先の三党合意を踏まえた付則を加えた修正案には賛成、同案も可決された。
年金法案によれば、現在は労使折半で年収の13.58%である厚生年金の保険料率を04年10月から段階的に引き上げ、17年以降は18.30%に固定、給付水準は現役世代の平均的な所得の50%を維持。
国民年金の保険料は現在の月額13300円を05年4月から段階的に引き上げ、17年度以降は16900円とする。
《「保険料引き上げ」について英会話》
年金法案を巡って激しく対立してきた自民、公明両党と民主党は6日、一転合意した。
三党合意では、衆参両院の厚生労働委員会に小委員会を設けるほか、与野党の協議会も設置し、公的年金制度の一元化問題を含む社会保障制度全般の見直しを行い、07年3月をめどに結論を出すとしている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
年金保険料については、社会保障全体の見直しや経済社会情勢の変化などによって、「必要に応じて検討」するとしており、政府案の毎年の保険料率引き上げが企業収益や景気に悪影響を及ぼした場合は、負担軽減のため保険料率引き下げの可能性に含みを残した。
《「保険料再見直しの可能性」に関して英会話/ディスカッション》
ただ民主党が求めていた全国会議員の加入状況の調査・公表については、与党が「各議員の責任で対応すべきだ」として受け入れなかった。
[「議員の加入状況の公表」を英会話のトピックとして]
民主党は国民の不信感を払拭するには情報開示が必要と判断、来週中にも所属議員の調査結果を公表する。
急転直下の合意の背景には、双方に国民年金保険料の未納・未加入議員が続出したことがある。
<英語表現の工夫:急転直下>
7月に参院選を控え、事態収拾を急がなければ有権者の政治不信が高まり、与野党ともにダメージになるとの思惑があった。
現行の年金体系では給与所得者と自営業者が違う制度に加入する。
会社員は年収の一定割合の保険料を給与天引きされる。
自営業者は収入に関係なく毎月定額を払う。
《「現行の年金体系の問題点」に関して英語論説》
職業別に分かれている制度を一本化し、全国民が所得に応じて保険料を負担するのが年金制度の一元化だ。
低所得者には最低保障年金を支給する仕組みを民主党は提案している。
年金一元化は、加入者間の不公平是正策ともなりうる。
ただ、与党は「自営業者の所得捕捉が困難」として一元化には慎重だ。
所得捕捉できなければ制度を一元化しても、実際の負担は給与所得者に偏る可能性がある。
また、保険料が所得比例に変わると大幅な負担増となる自営業者も出てくる。
<英会話/ディスカッション:一元化へのハードル>
制度一元化も国民年金未納問題解決の切り札にはならないだろう。
国民年金は厚生年金などと比べ保険料の納付率が低く、02年度は前年度より8%多い37%が未納だった。
消費税などを増税して年金財源に充てる税方式への移行を提案する声も聞かれる。
[「税方式の導入」を英会話/ディベートのテーマとして]
|