26日、安倍晋三首相は衆参両院の本会議で就任後初の施政方針演説を行った。
昨年9月の所信表明演説に比べると、独自の政策や保守的な政治理念を前面に打ち出したものとなった。
《「所信表明演説との比較」について英語記事》
首相は冒頭、「憲法を頂点とした、行政システム、教育、経済、外交・安全保障などの基本的枠組みの多くが、21世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている」と指摘、「今こそ、これらの戦後レジームを、原点にさかのぼって大胆に見直し、新たな船出をすべきとき」と宣言した。
〔英会話表現による言い換え〕
昨秋の自民党総裁選で公約に掲げていた「戦後レジームからの脱却」を、就任直後の臨時国会での所信表明では「タカ派」色を抑えるために封印した。
[「戦後レジームからの脱却」を英会話/ディベートのテーマとして]
今回の演説では、支持率が続落する中、「首相の顔が見えない」「指導力がない」との批判を受け、「戦後レジーム」のくだりを復活させ「安倍カラー」をアピールした。
持論である憲法改正については「議論を深めるべきだ」とし、改憲手続きを定める国民投票法案の今国会成立を「強く期待する」と述べた。
《「憲法改正をめぐる動き」に関して英会話/ディスカッション》
安全保障では「法的基盤を再構築」という表現で、自衛隊の海外派遣に関する恒久法制定に意欲を示した。
経済政策では、生産性の向上による成長力強化を目指す「新成長戦略」を推進すると力説した。
<英語にて解説:先に策定した「日本経済の進路と戦略」>
具体的には、技術革新の長期戦略指針となる「イノベーション25」と、アジア各国との交流促進を図る「アジア・ゲートウェイ構想」を5月までにまとめる方針だ。
また、「格差」という言葉は避けたが、民主党が「格差是正」を7月の参院選の争点に据えることを意識し、「経済的に困難な状況にある勤労者の底上げを図る」と述べ、「再チャレンジ支援総合プラン」に基づき格差問題に取り組むことを強調。
[「格差拡大の現実」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
若者の雇用機会の確保、パート労働者への社会保障の適用拡大、最低賃金制度の見直しなどを挙げた。
首相が意欲を示す教育再生に関しては、「内閣の最重要課題」と位置付けた上で、いじめや子どもの自殺などの原因について「公共の精神、自分たちが生まれ育った地域や国に対する愛着愛情、道徳心を今までおろそかにしてきた」と指摘した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
そして、「教育新時代」を開いていくため、「社会総がかりで」改革を進める必要があるとし、教育再生会議の提言をもとに関連法案を今国会に提出する考えを示した。
<英語表現の工夫:社会総がかり>
ゆとり教育の見直し、教員免許の更新制度導入、教育委員会改革などに取り組むという。
行財政改革では、10年代半ばに向け債務残高の国内総生産比の安定的引き下げと、11年度に国と地方の基礎的財政収支の黒字化を公約、道路特定財源の一般財源化に向けた法案の来年通常国会への提出にも触れた。
安定的な財源確保のため、07年度中をめどに「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組む」と強調した。
《「消費税の引き上げ」について英会話》
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