17日、イラク南部のサマワに駐留していた陸上自衛隊の全隊員の撤収が完了した。
<英会話/ディスカッション:陸自のサマワ駐留>
これにより、2年半に及ぶ陸自の復興支援活動が終了した。
なによりも、「1人の犠牲者も出さす、1発の銃弾も撃たず、イラクを退く」ことができたことを喜ぶとともに、すべての関係者に敬意を表したい。
イラクでは5月20日に正式政府が発足、6月19日にはマリキ首相がサマワを含むムサンナ州の治安権限が多国籍軍からイラク側に移譲されると表明した。
これを受け、任期が切れる9月末までに陸自の派遣を終わらせる意向を固めていた小泉首相は、撤退条件が整ったと判断、20日に陸自撤退を正式発表した。
〔英会話表現による言い換え〕
陸自は04年1月に先遣隊がサマワ入りして以降、過去最大規模の延べ約5500人の隊員を派遣した。
サマワ駐留の陸自は、復興支援業務に従事する「復興支援群」と渉外活動を担う「業務支援隊」から構成され、復興支援群は約500人が3カ月ずつ10交代で延べ5000人が、業務支援隊は約100人が6カ月ずつ5交代で延べ500人が参加した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
復興支援群は、給水支援や医療活動をはじめ、道路や学校などインフラの復旧・整備を行った。
主な活動実績をあげると、5万3500トンの給水、4つの病院で277回の診療と治療技術の指導、36校の学校と31カ所の道路の補修などがある。
[「陸自の復興支援活動」を英会話のトピックとして]
インフラ整備では独自色を発揮、現地企業を活用して住民の雇用確保を重視する手法をとり、現地でも高く評価された。
《「独自色を発揮」について英語表現の工夫》
雇用者は累計で48万8000人に上り、陸自による雇用創出は治安の安定にも一定の貢献をした。
イラクの復興支援は、国連平和維持活動(PKO)とは枠組みが異なるため、政府は03年7月、時限立法であるイラク復興支援特別措置法を成立させ、陸自のイラク派遣を可能にした。
<英語にて解説:イラク復興支援特別措置法>
憲法は海外での武力行使を禁じているため、イラク特措法は陸自の活動を「非戦闘地域での人道復興支援」と規定した。
政府は「サマワの治安は比較的安定している」と繰り返してきたが、陸自の宿営地と宿営地付近へのロケット弾による攻撃は計13回、陸自の車両が移動中に道路脇の爆弾が爆発して車両に被害が出たこともあった。
《「サマワの治安」について英会話/ディスカッション》
陸自の撤収が完了する一方、クウェートを拠点に活動を続けている航空自衛隊は今後、C130輸送機による輸送支援を拡大する。
[「航自の輸送支援拡大」を英会話/ディベートのテーマとして]
国連の要請に応じたもので、現在のサマワ近郊タリルから、首都バグダッドや北部のアルビルなどに輸送範囲を広げる。
バグダッドおよびその周辺はテロが頻発し現在も危険度が最も高く、現場の隊員から不安の声も聞かれる。
対応が場当たり的との批判に応え、自民党では自衛隊海外派遣の恒久法の制定を目指す動きが出ている。
《「恒久法の制定」に関して英語論文》
ただし、治安維持活動にまで役割を広げることは武器使用基準の緩和を伴うため、党内にも慎重論がある。
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