19日に閉会した中国共産党の第16期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で、江沢民氏が党中央軍事委員会主席を辞任し、代わって胡錦濤国家主席(党総書記)が就任することが決まった。
<英語にて解説:中央軍事委主席>
江氏が兼任している国家中央軍事委員会主席のポストも、来春の全国人民代表大会までに胡氏が引き継ぐ見通しだ。
江氏は89年6月の天安門事件で趙紫陽党総書記の失脚後、当時最高実力者だったケ小平氏によって上海市共産党委員会書記から党総書記に抜擢され、同年11月に党中央軍事委主席に就任、93年3月に国家主席に選出された。
[「天安門事件」を英会話のトピックとして]
江氏は02年の党大会後に党総書記を、03年の全人代で国家主席を胡氏に引き継いだが、党中央軍事委主席にはとどまり、事実上の最高指導者として影響力を行使してきた。
このため、党と国家のトップは胡氏、軍は江氏という権力の二重構造の弊害が内外で指摘されていた。
《「権力の二重構造」について英語表現の工夫》
胡氏は党中央軍事委主席就任により、党、国家、軍の三権を掌握、名実ともに最高指導者となった。
〔英会話表現による言い換え〕
また、江氏が指導部から完全に引退したことで、中国は胡氏や温家宝首相ら「革命第4世代」が指導する新時代に入った。
4中全会終了後に発表されたコミュニケでは、党の「執政能力の強化」が強く打ち出された。
具体策として胡指導部は今後、党幹部の間で広がる腐敗の防止や幹部人事制度の見直しなどを中心に政治改革を進めるものとみられる。
[「中国の政治改革」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
経済政策では、経済運営上で目立つ矛盾の解決に力を入れなければならない、としている。
江沢民時代の中国は「先に豊かになれる者から豊かになれ」というケ小平氏の「先富論」を体現、沿海部中心の経済発展にまい進し、8%前後の高成長を維持した。
<英会話:中国の経済成長>
その一方で、経済の過熱や、都市と農村、沿海と内陸との間での経済格差の拡大を招いた。
江沢民氏の引退により、新指導部は、過剰投資の抑制といった経済引き締めや所得格差の是正など、成長一辺倒路線から均衡のとれた発展を目指す現在の経済政策を一層強化することになりそうだ。
《「中国の経済政策」に関して英語論文》
対外的には、台湾問題が最大の課題だ。
江氏は95年、台湾に対話を呼びかける8項目の提案を発表したが、李登輝前総統や陳水扁総統に受け入れられず、台湾の自立化路線の推進に合わせるかのように、台湾への姿勢が厳しくなった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
台湾で今春、陳総統が再選され、住民投票の実施や新憲法制定を目指す方針を打ち出したことに、中国国内では強硬論が高まっている。
<英語論説:中台関係>
軍も掌握した胡氏が台湾にどのような対応をとるのかが注目される。
日本政府内には歴史問題を重視し反日姿勢が強かった江氏が一線を退くことで、日中関係の改善につながるとの期待感が出ている。
《「江氏引退の日中関係への影響」について英会話/ディベート》
しかし、小泉首相の靖国神社参拝などで険悪化する日中関係が急激に変わることはないとの見方が強い。
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