24日、ブッシュ米大統領は演説の中で、パレスチナ暫定国家の樹立を柱とする新たな中東和平構想を明らかにした。
<英語論説:ブッシュ米大統領の中東政策>
仲介役の米国が中東情勢の混迷打開を図るために新提案を出したことで、中東和平は新局面を迎えることになった。
新構想は、パレスチナ人が新しい指導者を選び、司法制度の改革や治安組織の再編などを行って新体制をつくり、イスラエルなどとの新しい治安協力を獲得するなら、パレスチナ国家建設を支持するという内容だ。
[「パレスチナ国家建設」を英語論文のテーマとして]
当面は暫定的な国家となるが、国境線の画定やエルサレムの帰属問題、パレスチナ難民の帰還などをめぐるイスラエルとの最終交渉で、3年以内の合意が可能だとの見通しも示している。
《「新構想の示す見通し」について英会話/ディスカッション》
大統領は、暫定国家を支持する前提条件として、「自治政府の改革」にとどまらず、「テロに屈服しない、これまでと違う新しいパレスチナ指導部が必要だ」と明言し「自治政府の刷新」も挙げた。
<英語表現の工夫:自治政府の刷新>
これは、名指しこそ避けたものの、アラファト議長の退陣を事実上求めたものだ。
《「アラファト議長の経歴」について英語にて解説》
ブッシュ政権はこれまで、当面は議長に代わる指導者は見当たらないという立場だった。
だが、今回、指導部の刷新を要求したことで、「アラファト後」の和平構想へ一歩踏み出した。
また、大統領は「パレスチナ自治政府はテロに反対するどころか、テロを助長している」と激しく非難した。
「テロを容認するアラファト議長」を排除する考えを明確に示したことで、パレスチナ問題を民族紛争から「対テロ戦争」という構図の中に置き換えた。
<英会話/ディスカッション:対テロ戦争>
イスラエルのシャロン首相は大統領演説に対し満足の意を示した。
和平構想に指導部交代が盛り込まれたのは、発表の直前に自爆テロが続いたことに加え、シャロン首相の働きかけがあった。
〔英会話用の口語文体による言い換え〕
大統領はイスラエルに対し、民衆蜂起が始まった00年9月28日以前の位置までの軍の撤退、ユダヤ人入植の凍結などを求めたが、いずれも従来の要求を超えるものではない。
一方、議長退陣という厳しい要求にパレスチナ側は、「パレスチナ人の指導者は、パレスチナ人が決めるものだ」と強く反発している。
[「パレスチナ側の反応」を英会話のトピックとして]
確かに、アラファト体制の腐敗や専制に対し、多くの人が不満を口にする。
しかし、議長はパレスチナ人自らが選んだリーダーだとの認識が根強いのも事実だ。
穏健派アラブのエジプトやヨルダンは、新構想が和平交渉で合意成立までの期限を明確にした点を評価した。
〔英会話表現による言い換え〕
ただし、最終合意に至る条件はパレスチナ側に厳しくイスラエル寄りの提案だという懸念がアラブ側には強い。
議長の排除が進むかは不透明だ。
議長自らが退くことは考えにくい。
また、自治政府が改革の一環として選挙に踏み切った場合、議長が再選される可能性もある。
アラファト体制が続けば、イスラエルが米国黙認の下、議長を武力で排除するというシナリオも現実味を帯びてくる。
《「今後のパレスチナ情勢」に関して英会話/ディベート》
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