29日、宇宙開発事業団(NASDA)は次期主力国産ロケットH2Aの試験機1号機を種子島宇宙センターから打ち上げた。
<英語記事:宇宙開発事業団の実績>
エンジンは予定通り燃焼し、初飛行は成功した。
ロケット打ち上げは、99年11月に先代の純国産ロケットH2の打ち上げに失敗して以来のことだ。
H2Aは午後4時に発射、約2分後に固体補助ロケットを分離した。
約7分後には第1段エンジンの燃焼が終了、第1段と第2段が切り離された。
その後第2段エンジンを2回燃焼、約30分後に静止軌道の入り口である「静止遷移軌道」に乗った。
〔英会話表現による言い換え〕
約40分後、衛星の代わりに積まれたレーザー測距装置の分離に成功した。
NASDAは今後、来年初頭に試験機2号機、続いてH2Aにより、環境観測技術衛星、来年中に気象衛星「ひまわり」に代わる運輸多目的衛星、03年度に国内初の情報収集衛星、05年度には国際宇宙ステーションに物資を運搬する補給機の実証機を打ち上げる予定だ。
[「国際宇宙ステーション」を英会話のトピックとして]
高さ約53メートル、重さ約300トンのH2Aは、高度3万6000キロの静止軌道に2トンの衛星を投入する能力を持つ。
H2の事故原因となったエンジンは大幅に改良された。
H2の打ち上げコストは140億〜195億円で競争力に乏しかった。
H2Aは、部品点数の削減や海外部品の調達などで、約半分の85億円以下で打ち上げるのを目標としている。
《「打ち上げコスト」について英会話/ディベート》
H2Aの開発は順調には進まなかった。
《「H2Aの開発」に関して英語論文》
H2の事故を受けて計画が1年ずれ込み、当初の予定だった今年2月の打ち上げをエンジンのトラブルでさらに半年延期した。
今月19日には最終段階の試験で第2段エンジンの制御バルブが故障、25日の打ち上げを29日に延期した。
当日早朝にもトラブルが相次ぎ、発射時刻が3時間遅れた。
98年と99年に連続して打ち上げに失敗したことで大きく揺らいだ日本の宇宙開発は、何とか崖っぷちで踏みとどまった。
<英語表現の工夫:崖っぷちで踏みとどまる>
長年の悲願である衛星打ち上げ市場への参入の足がかりとなるのはまちがいない。
とはいえ、現状では日本の打ち上げビジネス参入の壁は厚い。
《「打ち上げビジネス」について英語にて解説》
衛星の開発には300億〜400億円かかるといわれ、ロケットは失敗した場合のリスクが大きいため、顧客は信頼性を最も重視する。
現在、信頼性の高さを武器に市場をリードしているのが欧州のアリアンスペースで、同社の世界シェアは5割に迫る。
日本は、H2の連続失敗によって最も重要な信頼を失った。
99年11月の失敗以降、衛星の打ち上げ契約が相次いでキャンセルされるなど、日本のロケットに対する市場の評価は厳しい。
[「日本のロケットに対する市場評価」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
H2Aがアリアンのほか、米国、ロシア、中国のロケットがひしめく激しい競争の中で受注を獲得するには、打ち上げ成功の実績を積み重ねて、信頼性を高めていくしかない。
来年初めの2号機以降もこれ以上の失敗が許されない状況は続く。
〔英会話用の口語文体による言い換え〕
|