イラクの連合国暫定当局(CPA)は28日、イラク暫定政権に主権を移譲した。
《「連合国暫定当局(CPA)」について英語にて解説》
CPAは解散し、03年4月のフセイン政権崩壊後、約1年3カ月に及ぶ占領統治は終了した。
これまで治安維持を担ってきた米英主導の連合軍は多国籍軍に移行して駐留を継続する。
主権移譲は当初予定されていた30日から前倒しして実施された。
前倒しに踏み切ったのは、反米武装勢力による移譲式典を標的とした大規模テロを警戒したためとみられる。
〔英会話表現による言い換え〕
今月1日に暫定政権が発足し、各省庁への行政権限の移譲が24日に完了していたこともある。
主権は移譲されるが、最重要課題の治安維持は連合軍から移行した多国籍軍が引き続き主役を務める。
<英会話/ディスカッション:イラクの治安>
暫定政権は米英軍との間で「合同作戦本部」を設置して軍事作戦に関与することになるが、指揮権は米軍が握ることに変わりはない。
反米武装勢力は、イラク国民の不満に乗じて、連合軍や外国人への攻撃を活発化させてきた。
主権移譲後も駐留する米軍主体の多国籍軍の存在に国民が反発を強め、そこに武装勢力がつけ入る可能性は強い。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
暫定政権の基本的な任務は、治安回復とともに、来年1月末までに暫定国民議会の選挙を実施することだ。
そのため、7月中に国民会議を開催し、暫定国民議会選の準備を行う諮問評議会を選出する。
選挙後、暫定国民議会は移行政府を選出し、移行政府は05年8月までに新憲法を起草。
同年10月15日までに新憲法承認の国民投票を行い、12月15日までに新憲法下で国民議会選挙を実施し、12月末までに正式政府を発足させる、という段取りだ。
《「イラクの政治日程」について英会話》
主権移譲を受けて日本など先進各国は、イラクが抱える巨額の対外債務の削減交渉を再開する。
[「イラクの対外債務の削減」を英会話/ディベートのテーマとして]
日本は主要債権国会議(パリクラブ)参加国の中で最大の対イラク債権国だが、暫定政権が求めるとみられる債務の大幅減免に基本的には応じる方針だ。
米国内では、ブッシュ大統領のイラク政策への批判が高まっている。
大量破壊兵器は見つからず、旧フセイン政権とアルカイダの関係を示す証拠もない。
米兵の死者は千人近くに上っている。
最新のワシントンポスト紙の世論調査でも「イラク戦争は戦う価値がなかった」との回答が過半数に達した。
《「ブッシュ大統領のイラク政策批判」について英語記事》
風向きの変化を感じとったブッシュ大統領は、28日に開幕した北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で米欧協調に動いた。
<英語表現の工夫:風向きの変化>
首脳会議はイラク治安部隊の訓練を支援することで合意した。
訓練場所や規模など具体的な計画については米英と独仏との対立が解消されなかったが、協調の機運が具体的な形をとり始めている。
主権移譲に伴い多国籍軍が発足したことを受け、イラクで活動中の自衛隊は多国籍軍に参加した。
政府は、今後も自衛隊はこれまで通りイラク南部のサマワで給水や学校補修など人道復興支援を中心に活動を継続する、としている。
[「自衛隊の復興支援活動」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
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