22日、アフガニスタンのタリバン政権崩壊を受けた暫定政権が発足した。
<英会話:タリバン政権崩壊>
これによりアフガンは79年の旧ソ連軍の侵攻以来続いてきた戦乱に終止符を打ち、国際社会の支援の下で荒廃した国土の復興に着手する。
暫定政権の樹立は、国連仲介の下、北部同盟やザヒル・シャー元国王派らアフガン4勢力がドイツのボンで開催した会議で今月5日に合意した。
《「アフガン4勢力」について英語にて解説》
ボンの会議で調印された和平協定によると、暫定政権は6カ月以内に緊急ロヤ・ジルガ(国民大会議)を開催し、より広範な国民の意思を反映した「移行政権」を選出する。
移行政権は18カ月以内に正式ロヤ・ジルガを開催し、新憲法を制定する。
それから6カ月以内に自由で公正な選挙を実施、「本格政権」を発足させる段取りだ。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
暫定政権は、内閣に相当する暫定行政機構と最高裁判所、緊急ロヤ・ジルガ召集のための独立委員会からなる。
暫定行政機構の閣僚構成は各民族の人口比を配慮して決められた。
〔英会話表現による言い換え〕
人口の4割を占める最大民族のパシュトゥン人が11人、北部同盟を主導したタジク人が8人、ハザラ人5人、ウズベク人3人、その他の少数民族3人となった。
首相に当たる議長には、パシュトゥン人で元国王派のハミド・カルザイ氏が就任した。
《「カルザイ氏」について英語論説》
カルザイ氏は南部カンダハル近郊の有力部族の出身で、92〜94年にラバニ政権で外務次官を務めた経験を持つ。
一方、少数民族主体の北部同盟は議長を含む閣僚ポスト30のうち20を占め、国防相や内相、外相といった要職には若手タジク人の3人組が就いた。
[「タジク人による主要ポスト独占」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
ファヒム副議長兼国防相、カヌニ内相、アブドラ外相の3氏である。
タリバン政権下で社会参加が禁じられていた女性も2人が入閣した。
カルザイ議長は就任演説で「新政権の最重要課題は治安維持だ」と強調した。
難民支援、地雷除去、インフラ整備など行政機構が取り組むべき課題は山積みしているが、国家の再建を軌道に乗せるためにも、治安の回復が急務である。
<英会話/ディベート:暫定政権の最重要課題>
暫定政権に不可欠な軍事力と資金力は国際社会が提供する。
《「アフガンへの国際協力」に関して英会話/ディスカッション》
国連安全保障理事会は20日、治安維持のため多国籍部隊を派遣する決議を採択し、「国際治安支援部隊(ISAF)」の第1陣がカブールに入った。
また、ブリュッセルで開催されていた「アフガニスタン復興支援運営委員会」は21日、今後5年間に必要な復興支援額を約90億ドル(約1兆1500億円)と算定した。
来年1月下旬に東京で開く閣僚級会合で各国の拠出額を決定する。
暫定政権の発足は、9月11日以来の米国の対テロ戦争の一つの結実ではある。
しかし、暫定行政機構はタリバン崩壊後の政治空白を埋めるために急ごしらえした妥協の産物だ。
<英語表現の工夫:政治空白を埋める>
依然として民族間には対立の火種がくすぶっており、内戦へ逆戻りする危険性は消えていない。
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