27日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所でのプルサーマル計画の是非を問う住民投票が新潟県刈羽村で行われた。
<英語論文:プルサーマル計画>
即日開票の結果、反対票が投票総数の53.4%と過半数に達した。
住民投票に法的拘束力はないが、住民の意思は尊重されなければならない。
プルサーマルは、原発で使用した燃料のすべてを再処理して、再び燃料に使う「核燃料サイクル」構想の中核をなしている。
[「核燃料サイクル」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜて加工した混合酸化物(MOX)燃料を普通の原発(軽水炉)で燃やす。
国は56年の原子力委員会発足時から核燃料サイクルを目指し、当初はプルトニウムを高速増殖炉で燃やして繰り返し使う構想だった。
67年に高速増殖炉の実用化を90年と定めたが、その後、目標は先送りされ、95年の原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故で見通しが立たなくなった。
《「「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故」について英会話》
そこで、国は高速増殖炉の代わりに、脇役だったプルサーマル計画を主役に位置づけた。
電力会社は現在、プルサーマルの推進を前提に、再処理を英仏に委託する一方、4年後の稼動を目指し青森県六ヶ所村で2兆円を超える再処理工場の建設を進めている。
MOX燃料加工工場の建設もこれからだ。
電力自由化の流れの中で、再処理や燃料製造などコストのかかる核燃料サイクルは、電力会社の重荷になり始めている。
<英語にて解説:電力自由化>
国や電力会社は10年までに全国の16〜18基の原発でのプルサーマル導入を目標にしている。
《「プルサーマル導入」に関して英会話/ディベート》
まず、柏崎刈羽のほかに、福島第一(福島県)、高浜(福井県)での実施を目指しているが、各地とも実施の見通しが立っていない。
関西電力高浜原発での計画は、99年9月に英国で加工されたMOX燃料のデータ捏造が発覚したことで凍結した。
〔英会話表現による言い換え〕
直後には茨城県東海村のウラン燃料加工施設で臨界事故が起きた。
福島県では今年2月に知事がプルサーマルの受け入れ延期を表明した。
今回の投票結果により他の原発での計画導入への影響は避けられず、プルサーマルがさらに遅れる可能性が高まった。
<英会話/ディスカッション:住民投票の計画導入への影響>
政府は核燃料サイクル構想を堅持する方針だが、スケジュールの見直しを迫られるのは確実だ。
これまでに英仏で再処理して回収したプルトニウムは25トン前後に上っている。
05年には六ヶ所村の再処理工場が完成する。
核兵器の材料にもなりうるプルトニウムを余分に保有しないとの国際公約を守るには、当面プルサーマルでプルトニウムを消費するしか現実的な選択肢はない。
《「プルトニウムの消費」について英語論文》
しかし、プルサーマルの受け入れには住民の不安感が強いこともはっきりした。
住民投票で反対が過半数を占めたのは、住民に対する説明が足りず不信感が募った結果だろう。
国はプルサーマルの安全性と必要性について説得力のある言葉で住民の理解を求める努力を重ねるしかない。
[「プルサーマルの安全性と必要性」を英会話/ディベートのトピックとして]
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