15日、経営危機に陥っていた米証券第4位のリーマン・ブラザーズが、日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条の適用を申請し、経営破綻した。
昨年夏に始まったサブプライムローン問題は、ついに米国を代表する金融機関の破綻という事態へと発展した。
<英語論説:サブプライムローン問題の波及>
リーマンはサブプライム関連損失で120億ドル超を計上、株価が急落していた。
先週末から主要金融機関や米金融当局がリーマンの経営問題を協議してきたが、買収交渉が決裂するなど、不調に終わった。
リーマンの負債総額は6130億ドル(約63兆8千億円)で、米国で史上最大の倒産となる。
《「リーマン・ブラザーズの歴史」に関して英語にて解説》
一方、米銀行2位のバンク・オブ・アメリカは同日、米証券3位のメリルリンチを買収すると発表した。
株価が急落していたメリルをバンカメが事実上、救済合併する。
メリルは金融大手で唯一、1年前から赤字を出し続けてきたが、「わずか2日の電撃交渉」で合併をまとめた。
<英語表現の工夫:電撃交渉>
米国の株式市場では、米証券大手2社に続き、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に対しても経営不安が高まっている。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
米連邦準備制度理事会(FRB)は証券大手ゴールドマン・サックスなどに対し、AIG支援の民間融資枠の創設を要請した。
15日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が暴落、終値は前週末比504ドル安の1万917ドルとなり、下げ幅が過去6番目の大きさを記録した。
欧州やアジアでも株式相場は急落した。
16日の東京市場は、取引開始直後から売り注文が殺到、日経平均株価は年初来安値を下回り、一時は下げ幅が660円を超える場面もあった。
《「リーマン破綻の株式市場への影響」について英会話》
日米欧の金融当局は、リーマン破綻による金融市場の動揺を抑えるため、市場に潤沢に資金を供給した。
[「金融当局による資金供給策」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
FRBは700億ドル(7兆3000億円)の供給を行ったが、これは01年9月の同時多発テロ後に実施した大量供給に匹敵する規模である。
リーマンが破綻したのは、米政府が救済を拒否したためだ。
今年3月に米証券5位のベアー・スターンズ、今月初めに住宅公社、ファニーメイとフレディマックと経営難に陥った金融機関への公的支援に踏み切ったのとは対照的だ。
《「ベア破綻と住宅公社不安」に関して英語記事》
ポールソン米財務長官は同日の記者会見で、リーマンへの公的救済は「一度も考えなかった」と語り、ベアー支援に乗り出した「3月とは状況が全く違う」ためと説明した。
現在では証券会社向けの緊急融資制度などセーフティーネットが整っている。
安易な救済はモラルハザードにつながるとの懸念もあった。
<英会話/ディスカッション:米政府のリーマン救済拒否の背景>
米国の金融危機が長引けば世界経済に計り知れない影響を与えることになる。
米当局はこれまで、金融機関に自主的な取り組みを促してきたが、それも限界に来ているのではないか。
「米国発の世界金融恐慌」が起きるのを防ぐため、公的資金の活用も含む抜本的な対策を検討すべきだ。
[「米国発の世界金融恐慌」を英会話/ディベートのテーマとして]
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