テロ対策特別措置法が2日午前0時で期限切れとなった。
1日午後、インド洋で補給活動を続けてきた海上自衛隊の派遣部隊に撤収命令が出され、補給艦と護衛艦が日本に向けて出発した。約3週間後に帰還する見通しだ。
[「テロとの戦いをめぐる自衛隊の活動」を英会話のトピックとして]
テロ特措法は、米同時多発テロを受けて、アフガニスタンでの米軍主導の対テロ戦争を後方支援するため01年10月に成立した。
《「テロ特措法成立の経緯」について英語にて解説》
これに基づいて、海自の補給艦が12月にインド洋で給油活動を開始した。
活動は6年近くに及び、これまで米英パキスタンなど11カ国の艦船に794回、計約49万キロリットルの燃料を無償で提供してきた。
給油量は現状ではピーク時の10分の1以下に減っているとされる。
<英語記事:海自の活動実績>
海自の補給艦は、アフガニスタンへのテロリストの入国や武器の流入を取り締まる「海上阻止活動」に従事する米英艦船などへの給油活動を担ってきた。
海自の給油活動停止によって、海上阻止活動全体の効率が低下するとの懸念がある。
《「海自の給油活動停止に対する関係国の反応」に関して英会話/ディスカッション》
外務省などは、国際社会での日本の発言力低下や日米同盟への悪影響など、日本外交に少なからぬダメージを与えかねないと不安を隠さない。
目に見える人的貢献度の低下に対する危機感も強い。
<英語論説:海自撤収の日本外交への影響>
福田康夫首相は、可能な限り早期の活動再開を目指し新法案の成立へ全力を尽くすとの談話を発表した。
政府は1日、給油中断の代替案として、アフガニスタンや日本の給油を頼ってきたパキスタンへの経済的支援の強化を打ち出した。
テロとの戦いを継続する意思をアピールする狙いとみられる。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
テロ特措法はこの6年で3回延長されてきた。
今回は特措法の延長に参院で過半数を占める野党の賛同を得られず、政府は海自による補給活動を継続するため、活動内容を給油・給水に絞った補給支援活動特別措置法案を今国会に提出したが、野党は反対姿勢を崩さず、同法案成立のめどは立っていない。
《「海自撤収の直接の理由」について英会話》
防衛省や自衛隊への信頼を根底から揺るがせるような問題も相次いだ。
[「防衛省の不祥事」を英語記事のトピックとして]
米補給艦への給油量の誤りの隠ぺいや、内規に反する補給艦の航海日誌の破棄などが明らかになり、文民統制に関わる問題に発展した。
前防衛事務次官の業者との癒着まで発覚した。
イラク戦争への転用疑惑も浮上した。
03年2月に米補給艦に給油した燃料がイラク作戦に参加した米空母に提供されていた問題だ。
もし疑惑が事実なら特措法の目的を逸脱することになる。
<英会話/ディスカッション:イラク戦争への転用疑惑>
政府は目的外使用を否定するが、疑惑は払拭されていない。
そうした事情を反映してか、各種世論調査によると、給油活動継続についての賛否はほぼ二分している。
[「給油活動継続の是非」を英会話/ディベートのテーマとして]
政府はまず、一連の疑惑を徹底的に解明し、国民の信頼回復に努める必要がある。
その上で、イラクでの復興支援活動と並ぶ国際貢献活動の中止を機に、日本の国際貢献の在り方について改めて議論を深めるべきだ。
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