19日、5週間の休会を挟む異例のマラソン交渉となった第4回6カ国協議が共同声明を採択して閉幕した。
北朝鮮のウラン濃縮を含む核開発計画の発覚を受けて03年8月に6カ国協議が始まって以来、初めて強い拘束力を持つ合意文書が採択されたことになる。
<英語にて解説:北朝鮮の核問題をめぐる動き>
まず、声明の中で6カ国は、協議の目標が「朝鮮半島の検証可能な非核化」であることを再確認した。
次に、北朝鮮は、「すべての核兵器および既存の核計画を放棄」することや、核不拡散条約(NPT)に復帰し、国際原子力機関(IAEA)による査察を受け入れることを約束した。
《「北朝鮮のNPT脱退」に関して英会話》
北朝鮮の核放棄とともに、米国が朝鮮半島で核兵器を持たないことや、北朝鮮を核兵器や通常兵器で攻撃・侵略する意図はないことも確認、北朝鮮は「安全の保証」の確約をとりつけた。
[「北朝鮮が求める安全の保証」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
休会前の協議の争点となった北朝鮮の「核の平和利用の権利」については、自国にその権利があるとする北朝鮮の発言を、各国が「尊重する」と表現し、北朝鮮の主張を追認する形となった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
また、過去の協議で焦点となってきたウラン濃縮計画には直接触れず、韓国と北朝鮮の両国が「ウラン濃縮施設を保有しない」とした92年の朝鮮半島非核化共同宣言の順守・実施を謳うことで、間接的に歯止めをかけた。
《「朝鮮半島非核化共同宣言の概要」に関して英語記事》
共同声明をめぐる協議の最大の焦点となった軽水炉型原発の提供については、「適当な時期に議論を行う」ことで合意した。
日米は、北朝鮮のすべての核放棄が前提になると主張してきたが、話し合う時期について「核放棄後」とは明記されず、あいまいさが残った。
<英会話/ディスカッション:軽水炉問題の先送り>
北朝鮮が多国間の枠組みの中で核放棄を初めて確約したのは画期的なことだ。
北朝鮮が今回の合意を本当に履行すれば、核開発から手を引くことになる。
《「北朝鮮の合意履行」について英会話/ディベート》
日本にとっても、直接の脅威である北朝鮮の核兵器の製造中止に向けての第一歩といえる。
朝鮮半島非核化宣言や94年の米朝枠組み合意の後も、核開発を止めなかった北朝鮮が今回、核放棄を受け入れた背景としては、国内の電力・エネルギー事情の悪化から具体的な実をとる必要があったとされる。
<英語論説:核放棄受け入れの背景>
米国側も、ブッシュ政権がハリケーン被災への対応で国民から批判を浴びる中、外交での目に見える成果を求めた。
[「米の国内事情」を英会話のトピックとして]
また、協議が再び失敗すれば枠組み自体が崩壊しかねないという危機感を各国が共有したことも、声明の採択へと導いた。
声明は北朝鮮に対する米国の譲歩が目立つ内容となった。
核の平和利用の権利や軽水炉提供をめぐる譲歩のほか、米国は金正日体制との「平和共存」を約束したが、米国が問題視する人権問題やミサイル問題の解決は明確な文言で盛り込まれなかった。
《「北朝鮮の人権問題」に関して英語記事》
今回、合意を優先させた結果、核放棄の具体的な手順やスケジュールなどは次回以降の協議に先送りされた。
〔英会話表現による言い換え〕
11月の第5回協議では、検証方法などをめぐって難航も予想される。
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