25日午後5時ごろ、フランスのエールフランス航空(AF)の超音速旅客機(SST)コンコルドが、パリ近郊のシャルルドゴール空港から離陸直後に墜落した。
《「超音速旅客機」について英会話》
その際に翼が現場付近のホテルに激突し、ホテルは炎上した。乗員乗客109人全員のほか、地上でも4人が死亡した。
26日朝から、仏政府の事故調査委員会による原因究明作業が本格化した。
離陸に際して火を噴いた左翼部の第2エンジンのトラブルが事故原因との見方が強まっている。
<英語にて解説:航空事故の原因>
コンコルドは現在、定期運航している唯一のSSTである。
「デルタウィング」と呼ばれる三角形の翼と、全長約62メートルの細長い胴体が特徴で、定員は約百人。
最高速度は音速の2倍(マッハ2)で、大西洋を4時間足らずで飛ぶ。
[「コンコルドの特徴」を英会話のトピックとして]
SSTの研究開発は1950年代に世界各国で始まったが、62年、イギリスとフランスの航空3社の共同開発計画が発表された。
コンコルドは米国に先駆けて英仏両国が当時の航空技術の粋を集めて開発した点に大きな特徴があった。
<英語表現の工夫:技術の粋を集める>
その研究開発には他に例がないという長い年月を要し、その費用は当初見積もりの3倍にも膨れ上がったという。
69年に仏で初の試験飛行が行われ、70年にマッハ2の飛行に成功した。
76年の定期路線への初就航以来、欧州と米国を結ぶ路線で運航を続けている。
79年、16号機で生産は打ち切られた。
《「生産打ち切りの理由」に関して英語記事》
現在も英国のブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が7機、AFが6機を運航している。
製作から30年近くが経ち、老朽化が懸念されていたが、24日、英BAは同社が所有するコンコルド7機すべての翼に亀裂が見つかったと発表していた。
[「コンコルドの老朽化懸念」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
AFも6機のうち4機に亀裂があったことを明らかにした。
事故機が亀裂の見つかった機かどうかは不明である。
コンコルドが定期路線に初就航した70年代はすでに大量輸送時代に入っていた。
米ボーイング社のB747型機(約4百人乗り)など大型機が相次いでデビューすると、百人乗りのコンコルドは主役の座を譲ることになった。
〔英会話表現による言い換え〕
さらに、2度の石油危機の後で省エネや環境問題への関心が高まる中、コンコルドは燃料消費量が膨大であることや、離着陸時の大きな騒音が社会問題化したことなどから、「時代遅れの超音速機」と評されるようになった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
それでも、初飛行から30年以上重大な事故がなかったことがコンコルドの安全神話を生んでいた。
事故後、欧米のメディアは一斉に「神話の失墜」と報じた。
今回の事故により、コンコルドの引退が早まる可能性も指摘されている。
《「コンコルドの早期引退」に関して英会話/ディスカッション》
ポスト・コンコルドとなる次世代SSTの開発計画が、日米欧企業の共同事業として進められているが、経済性の問題から疑問符が付いている。
今回の事故が引き金となって計画の見直しにつながる可能性も否定できない。
<英語論説:次世代SST開発計画への影響>
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