1日、欧州連合(EU)に中・東欧など10カ国が新たに加盟し、25カ国体制の「大欧州」が誕生した。
《「EU拡大の経緯」に関して英語にて解説》
新加盟国は、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、スロベニアとバルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニア、地中海の島国であるキプロス、マルタの10カ国である。
今回のEU拡大は欧州統合の一つの到達点を示すものだ。
史上初めて旧共産圏諸国が加盟し、第二次大戦後の約半世紀にわたって東西を分断した「鉄のカーテン」が名実ともに消えることになった。
[「旧共産圏加盟の意義」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
拡大EUの人口は約4億5千5百万人となり、米国の2億9千万人をはるかに上回る。
域内総生産(GDP)は9兆7千億ユーロで、米国とほぼ肩を並べる世界最大の経済圏となった。
《「巨大経済圏の出現」について英会話》
中・東欧諸国は1990年代からEUとの市場統合を進めていたが、今回のEUへの正式加盟で、域内の関税や通関手続きは撤廃され、環境・安全基準などもEU共通の法令が適用される。
域外国との貿易では、EU共通関税が適用され、通関手続きもEU基準へ簡素化される。
<英会話/ディスカッション:EU加盟による中東欧経済への影響>
「欧州の工場」として成長する中・東欧各国には、すでに西欧や日米のメーカーが積極的に進出している。
《「中東欧の経済成長」について英語記事》
欧州委員会は新加盟国の当面の平均成長率を現加盟国の2倍の4%前後と予測、欧州経済全体の活性化を期待している。
とはいえ、新加盟国の所得水準は低く、域内の経済格差は一層広がった。
新加盟国の国民1人当たりのGDPは、現加盟国平均の半分弱である。
[「広がる域内経済格差」を英語論説のテーマとして]
EUには域内の格差是正のため加盟国に財政支援を行う仕組みがあるが、資金の出し手である西欧は自国経済の低成長に苦しんでおり、東方支援の負担増大に不満が募っている。
プロディ欧州委員長は最近の演説の中で「欧州統合の根幹の理由は平和のためだということを忘れてはならない」と説いた。
EUの源流は、1952年に仏・旧西独・伊など6カ国が設立した欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)だ。
独仏対立の火種となってきた資源を共同管理化に置くことで、両国の融和を促し、戦争の再発を防ぐのが狙いだった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
58年に欧州経済共同体(EEC)と欧州原子力共同体(EAEC)が発足、これら3つの共同体が67年に統合されて、欧州共同体(EC)が誕生した。
その後、93年にマーストリヒト条約が発効し、EUに発展した。
<英語にて解説:マーストリヒト条約の概要>
加盟国の東方拡大が実現したことで、欧州は再び統合を深める方向に進むものとみられる。
[「統合の次の段階」を英会話のトピックとして]
統合の深化は経済分野で先行し、99年の単一通貨ユーロの導入で一段落した。
今後は、外交や安全保障などの政策の共通化を目指すことになる。
昨年のイラク戦争の際、欧州は、米国の有志連合への参加をめぐって、仏独などの反対派と英伊スペインなどの賛成派に分裂した。
巨大な国家集団が、対米関係を含め、対外的にどこまで一枚岩になれるのか、その動向が注目される。
〔英会話表現による言い換え〕
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