12日、米国のニューヨーク市で、NBCテレビの女性社員が炭疽菌に感染したことが判明した。
これまでにわかっているフロリダ州の3人と合わせ、炭疽菌感染者は計4人となった。
感染源も感染ルートも特定されていないが、郵便物による人為的な感染との疑いが強まっている。
《「郵便物を通じた感染」について英会話》
11日にはアシュクロフト米司法長官が、フロリダ州の新聞社で3人が炭疽菌に感染し1人が死亡した事件について犯罪と断定し、連邦捜査局(FBI)が本格捜査を開始したことを明らかにした。
<英語記事:炭疽菌をめぐる騒ぎや事件>
感染した3人は、同州のボカラトンにあるアメリカン・メディア(AIM)社に勤務していた。
死亡した男性編集者は菌を肺に吸い込み、他の2人は鼻腔から菌が検出された。
室内での吸引は極めて不自然なことから、菌が意図的に持ち込まれた可能性が高いとみられていた。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
米軍のアフガニスタン攻撃に対する報復テロへの警戒が続く中、11日にはFBIが「数日中に新たなテロの可能性がある」と警告していた。
こうした状況下での事件だけに、市民たちの間では不安が高まっている。
炭疽菌事件と9月の同時多発テロとの関連について、司法長官は明確に否定している。
《「同時多発テロとの関連性」に関して英会話/ディスカッション》
FBIは現在、感染原因として有力と見られる郵便物の特定を急ぐ一方、炭疽菌が自然界から採取されたものか、人為的に毒性を強めたものかについても重点を置いて捜査を進めている。
〔英会話表現による言い換え〕
炭疽菌は自然には土壌中に存在する。
野生動物や牛や馬などの家畜だけでなく人にも感染して炭疽症を発症させる。
人から人へはほとんど感染しない。
《「国内の感染事例」について英語にて解説》
炭疽症にはいくつかの感染経路があるが、菌を肺に吸い込み感染した場合(肺炭疽)、初期には風邪に似た高熱や悪寒などの症状が出て、重くなると呼吸不全などを引き起こす。
治療を行わなかった場合の死亡率はほぼ100%だという。
早期にペニシリンなどの抗生物質を大量に投与すれば治療は可能で、予防のためのワクチンもある。
<英語論説:抗生物質やワクチンの備蓄>
炭疽菌は、菌が殻に包まれる芽胞という状態では熱や乾燥などに強く、乾かして粉末にすれば持ち運びやすく扱いやすいため、生物兵器として利用される。
[「炭疽菌の生物兵器としての有用性」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
小型飛行機による空中散布や、換気口から建物内への拡散といった手口が警戒されていた。
土壌からの採取は困難なため、テロに使われるとすれば各国の研究機関が研究用に保管している菌が流出したり盗まれたりした場合と考えられる。
《「菌の流出・盗難の可能性」について英語記事》
AMIで確認された菌は1950年代にアイオワ州の国立研究機関で抽出・培養した菌と種類が一致するとの見方もあるが、未確定だ。
ニューヨークなど大都市では、多くの人が炭疽菌に効く抗生物質を買い求め、ガスマスクも飛ぶように売れているという。
今回の事件は、生物テロがたとえ実際の被害規模は小さくても、一瞬にして社会を恐怖に陥れる可能性を見せつけたといえるだろう。
[「生物テロが社会に与える恐怖」を英会話のトピックとして]
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