15日、中国が初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げに成功した。
有人宇宙船の打ち上げ成功は、旧ソ連(61年4月)、米国(同年5月)以来42年ぶりで、中国は米ロに続く「宇宙大国」の仲間入りを果たした。
[「米ソの有人飛行打ち上げ競争」を英会話のトピックとして]
有人宇宙飛行には総合的な技術力が必要だ。
「神舟5号」の打ち上げ成功は、急速に発展する中国が「技術大国」として台頭してきたことを国内外に強く印象づけることになった。
〔英会話表現による言い換え〕
一方、有人飛行は、旧ソ連と米国の打ち上げ競争にみられたように、国家の威信をかけた事業となってきたことから、胡錦涛国家主席が見守った「発射成功」は中国の国威を発揚させることになりそうだ。
《「国威を発揚する」について英語表現の工夫》
中国は1990年代以降、有人飛行を目指して確実に技術開発を積み重ねてきた。
<英語にて解説:中国の有人宇宙飛行計画の経緯>
「後発組」の立場を最大限に生かし、先行するロシアや米国の技術を巧みに取り入れ、独自に改良を重ねた。
打ち上げに使った「長征2F」ロケットの仕様を高めるのに米国のロケットを徹底的に研究したという。
宇宙船本体の開発は旧ソ連の「ソユーズ」が土台になっている。
有人宇宙飛行は早くから念頭に置かれていたようだ。
70年に初めて人工衛星を打ち上げてから3回目で、衛星の地上への回収を試み、神舟4号までに計20回の回収成功を重ねている。
独自の有人計画を持たない日本がまだ2回しか衛星の回収に成功していないのとは対照的だ。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
中国は今回の打ち上げ成功を足がかりに、衛星打ち上げ市場への本格参入に加え、月面探査や宇宙ステーション建設など、さらに進んだ宇宙開発計画に踏み出すという。
《「中国の宇宙開発の展望」に関して英語記事》
日米欧など15カ国が参加する国際宇宙ステーション計画には現在のところ不参加である。
有人飛行計画は、実現に10年の年月と少なくとも1兆5千億円もの資金が必要とされ、人命のリスクも小さくない。
米国でさえ疑問の声が議会を中心に根強い。
日本政府の総合科学技術会議は昨年、「今後10年程度、独自の有人宇宙計画を持たない」と従来の方針を堅持した。
欧州諸国も同じ姿勢である。
[「有人飛行計画に対する賛否」を英会話/ディベートのテーマとして]
中国政府はこれまで一貫して、同国の宇宙開発が平和利用目的であることを強調しているが、中国の宇宙開発は軍主導で進められてきた。
中国初の宇宙飛行士が人民解放軍の軍人である事実が象徴するように、「神舟5号」の打ち上げも軍事戦略の一環とみられている。
米国では安全保障の観点から、中国が軍事転用可能な高度な宇宙技術を持つことを警戒する声も出ている。
《「宇宙技術の軍事転用」について英会話/ディスカッション》
政府与党内では中国に対する政府開発援助(ODA)の見直しをめぐる議論が再燃しそうだ。
対中ODAについては、日本経済の長期低迷、中国の高度経済成長や軍事費増大などを背景に、自民党を中心に減額論が台頭していた。
<英会話/ディベート:中国に対するODAの減額>
有人宇宙船の打ち上げ成功で減額を求める声がさらに高まる可能性がある。
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