1日夜、福田康夫首相が首相官邸で緊急記者会見し、辞任の意向を表明した。
安倍晋三前首相に続き、福田首相も約1年で退陣する。
2代続けての政権投げ出しで、自民、公明両党による連立政権の事実上の破綻が明確になった。
[「2代続けての政権投げ出し」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
首相は記者会見で、辞任の理由について「民主党が国会の駆け引きで審議引き延ばしや審議拒否を行った。
何を決めるにも時間がかかった」と指摘した上で、「新しい布陣の下に政策の実現を図らなければいけない」と説明した。
《「首相の辞任理由」について英会話》
時期について「今が政治空白をつくらない一番いい時期だと判断した」と述べた。
福田首相は昨年9月、参院選での惨敗に伴う「衆参ねじれ国会」という厳しい状況で首相に就任した。
局面を打開しようと、首相は民主党の小沢一郎代表との党首会談を通じ同党との大連立を狙ったが、小沢氏が民主党内の反対にあい、この構想は頓挫した。
<英語記事:大連立構想頓挫の経緯>
その後、小沢民主党が早期解散・総選挙に焦点を合わせ、徹底した対決姿勢に転じると、福田政権は衆院で3分の2以上を占める与党の絶対多数を生かし、再可決で苦境をしのいだ。
《「衆院での再議決権行使」に関して英会話/ディベート》
今年1月、インド洋での海上自衛隊による給油活動を継続する補給支援特措法(新テロ特措法)で57年ぶりに衆院で再可決に踏み切った。
4月1日に道路特定財源の暫定税率が期限切れになると、30日にガソリン税暫定税率を復活させる税制改正関連法を再可決、6月にもガソリン税収を10年間道路整備に当てる改正道路整備財源特例法を成立させるため再議決を行った。
[「ガソリン税の暫定税率問題」を英語論説のテーマとして]
一方、参院の同意が必要な日銀総裁人事では、政府提案が民主党などの反対でたて続けに否決され、戦後初の「総裁空席」という事態となった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
この間、内閣支持率はじりじりと下がり続けた。
8月初めに首相は内閣改造に踏み切り、29日には政府与党として綜合経済対策を打ち出したが、支持率は低迷したままだ。
《「内閣支持率低迷の原因」について英会話/ディスカッション》
与党内にも「福田首相の下では総選挙を戦えない」との声が次第に強まっていた。
民主党の攻勢に加えて、ダメ押しになったのは公明党からの圧力だった。
<英語表現の工夫:ダメ押しになる>
年末年始の解散・総選挙に目を向けた公明党は、首相が臨時国会の重要課題と位置づけた補給支援特措法の延長に強い難色を示した。
総合経済対策では、赤字国債発行につながる可能性が高いとして実施に否定的だった首相を押し切って定額減税を盛り込ませた。
こうした状況で、政権運営に行き詰っての退陣表明となったとみられる。
自民党は早急に総裁選を実施する方針だが、後任には麻生太郎幹事長が有力視されている。
05年の小泉政権時代の郵政選挙以来、自民党内で政権がたらい回しされたのに、政権選択をかけた衆院選は一度も行われていない。
だれが首相になっても、できるだけ早く衆院を解散し、総選挙を行って国民の審判を受けるべきである。
《「解散総選挙の実施」について英会話》
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