13日、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は朝鮮半島の非核化に向けた「初期段階の措置」を盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。
これで北朝鮮の核廃棄に向けた第一歩が踏み出されたことになる。
《「合意文書採択の意義」について英会話/ディスカッション》
ただ今回の合意がこのまま実現するかどうかは、なお予断を許さない。
関係各国には粘り強い対応が求められる。
今回の合意文書は、05年9月の共同声明の行動計画になっており、60日以内に実施する「初期段階の措置」と、日時を区切らない「次の段階」の措置に分かれている。
<英語にて解説:共同声明の骨子>
初期段階の措置では、北朝鮮が60日以内に寧辺の核施設の稼動を停止・封印し、国際原子力機関(IAEA)の監視・検証を受け入れる。
その見返りに、各国は重油5万トン相当のエネルギー支援をする。
支援負担については、当面は拉致問題を抱える日本を除く4カ国が公平に負担するとした。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
「次の段階」の措置では、北朝鮮がすべての核計画を申告し、すべての核施設を「無能力化」すれば、初期措置での5万トンを含め最大で重油計100万トン相当の支援を受けられる。
《「核施設の無能力化の方法や手順」に関して英語記事》
米朝関係では、米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除作業、及び経済制裁の根拠となった対敵国通商法の適用終了作業に着手することが明記された。
[「テロ支援国家指定の解除」を英会話/ディベートのテーマとして]
合意文書には、具体策を講じるための作業部会を設置することも盛り込まれた。
「朝鮮半島非核化」「米朝国交正常化」「日朝国交正常化」「経済エネルギー協力」「北東アジアの平和と安全のメカニズム」の5つで、30日以内に初会合が開催される。
《「日朝国交正常化の作業部会設置」について英会話》
協議閉幕後、政府は、設置が決まった「日朝国交正常化」の作業部会で拉致問題を取り上げていく方針を明らかにした。
首相は、「拉致問題も6カ国協議の枠組みに入れ込むことができた」と評価するとともに、拉致問題の解決抜きの支援を改めて否定した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
合意文書採択にこぎつけた背景として、北朝鮮との直接交渉を拒否してきたブッシュ米政権が柔軟路線に転換したことがある。
<英語論説:ブッシュ政権の対北朝鮮政策の転換>
先月には米朝の首席代表がベルリンで直接協議を行った。
また、経済破綻で極度の苦境に陥っている北朝鮮が、当面の支援の取り付けを優先した面もある。
94年の米朝枠組み合意では、北朝鮮の核施設「凍結」の見返りに、軽水炉2基と年間50万トンの重油提供を約束した。
[「米朝枠組み合意の崩壊」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
今回の合意文書は、枠組み合意とは異なり、北朝鮮が取るべき措置とその見返りを2段階に分け、「凍結」より強い「稼動停止・封印」を義務づけ、その実施期間を60日に定めるなど、いくつかの歯止めを講じている。
今回の合意で既存の核について触れられていないのは問題だ。
北朝鮮が保有しているとみられるプルトニウム型の核爆弾やプルトニウム、02年に疑惑が発覚した濃縮ウラン型核開発への対応が明確にされていない。
《「核爆弾の種類」について英語にて解説》
「朝鮮半島の検証可能な非核化」への道はなお遠いと言わざるを得ない。
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