17日、国土交通省は、千葉県の一級建築士が耐震性など建物の安全性を示す構造計算書を偽造していたことを公表した。
偽の計算書に基づいて設計された建物は、東京、千葉、神奈川のマンションやホテルの計21棟を数え、このうち完成済みのマンション2棟は、「震度5強の地震で倒壊の恐れ」があるという。
《「震度5強で倒壊の恐れ」について英語記事》
世界中で発生するマグニチュード6以上の地震の2割は日本列島に集中しているという。
[「地震国日本における耐震偽装の怖さ」を英会話のトピックとして]
震度5強程度でも倒壊するマンションは、居住者の生命を著しく脅かすことになる。
それだけではない。仮に倒壊すれば、周辺の地域住民も巻き込んだ大惨事につながりかねない。
構造計算書は現在、国交省の認定を受けた専用のコンピュータープログラムで解析して作成するのが一般的だ。
<英語にて解説:構造計算書の作成方法>
地震などの外力の値と、柱の太さや鉄筋の数といった部材の数字を入力すると、コンピューターが計算し、建築基準法の基準に合うかどうかの判定結果を出す。
構造計算書は建築確認申請の段階で提出が義務づけられている。
今回の偽造は差し替えという単純な手口だったが、審査をした民間の検査会社は見抜けなかった。
10月の内部監査の際に過去の書類を調べ直して偽装が発覚した。
国交省は「検査機関の審査に不備があった」とみている。
《「検査機関の審査不備」に関して英会話/ディスカッション》
建築確認の書類審査は従来、都道府県や市町村に限られていた。
しかし、阪神大震災で手抜き工事などによる耐震不足の建物が倒壊した例が多かったことから、検査態勢を充実させるため、規制緩和の流れの中で98年に建築基準法が改正され、指定を受けた民間の検査機関(指定確認検査機関)も代行できるようになった。
[「建築確認審査への民間参入」を英会話/ディベートのテーマとして]
担当者の数が少なく、時間がかかった自治体による検査とは異なり、民間の機関はスピード検査が売り物だ。
手数料が高くても、民間への申請が増えているという。
だが構造計算書は数百ページにも及ぶ。
膨大な書類データをつぶさにチェックするのは不可能だとの話も聞かれる。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
構造計算書を偽装した建築士は調べに対し「コスト削減のプレッシャーを感じていた」などと動機の一部を述べている。
その背景にあるのは、長引く不況下での建設業界の過当競争だ。
《「建設業界の過当競争の背景」に関して英語論説》
公共事業の削減が続き、民間工事の受注競争が激しくなっている。
こうした中、建物の内部の鉄筋の数や太さ、コンクリートの量など、目に見えにくいところで設計や工事の手抜きが行われやすくなっているという。
工事の発注主から建築業者や設計事務所までコスト削減を追求するあまり、建物の安全性にしわ寄せが来るのを容認する風潮がないとは言えないのではないか。
<英語表現の工夫:しわ寄せがくる>
他にも耐震強度を偽装したマンションはないのか。
全国のマンションの住民に不安が広がっている。
国交省は、建築確認制度や工事監理制度の見直しを含めた改善策の検討を急がなければならない。
[「望まれる改善策」を英会話/ディスカッションのトピックとして]
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