29日、安倍政権で初の本格的な国政選挙となった第21回参議院通常選挙が投開票された。
[「近年の国政選挙」を英会話のトピックとして]
自民党は改選64議席から30台後半に転落、公明党も後退し、連立与党は非改選を含め過半数を大きく割り込む結果となった。
民主党は目標議席を大きく上回って60台に達し、初めて参院の第一党に躍り出た。
かつて「自民王国」と言われ、参院選のカギを握るとみられた一人区で自民党は不振を極めた。
これら一人区の多くは地域経済の低迷や過疎化に苦しんでいる。
それにもかかわらず無策な自公政権に有権者の不満が高まっていたとみることができる。
《「一人区での自民党不振の背景」について英会話/ディスカッション》
05年の郵政選挙では自民党を大勝に導いた無党派層だが、今度は圧倒的多数が民主党に投票した。
自民党にとって深刻なのは、支持層のかなりの票が民主党に流れたことだ。
政権への批判の強さの表れと言っていいだろう。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
自民惨敗の直接の引き金になったのは、年金記録漏れ問題での有権者の政府に対する不信感だった。
<英会話/ディスカッション:年金記録問題での政府の対応>
内閣支持率の急落に慌てた首相は自ら陣頭指揮に立ち、年金時効撤廃特例法を成立させるなど対策を打ち出したが、対応が後手後手に回ったという印象をぬぐいされなかった。
政権不信に拍車をかけたのが、一連の閣僚不祥事だ。
《「相次ぐ閣僚不祥事」に関して英語記事》
「政治とカネ」をめぐる前農相の自殺、前防衛相の原爆発言、後任の農相の事務所費問題、外相の不適切発言など、相次ぐ閣僚の失態によって、首相の人事の失敗が明らかになった。
首相が優先課題を見誤ったとの指摘もある。
国民投票法を成立させ、教育基本法を改正し、防衛庁を省に昇格させた。
首相の掲げる「戦後レジームからの脱却」を最優先させた結果だ。
一方、国民にとって身近な生活課題への対応は鈍かった。
そこに国民が違和感を募らせていたことは、 支持率低迷にも表れていた。
《「安倍政権の支持率低迷」について英会話》
自民党の参院選での歴史的な大敗は、1989年の宇野宗佑政権、98年の橋本龍太郎政権に続くものだ。
<英語にて解説:自民党が大敗した過去の参院選>
89年に「消費税、リクルート事件、農産物自由化」の逆風で自民党が過半数割れした際には、野党の公明、民社両党と連携した。
経済失政が争点となった98年の参院選で大敗した時は、まず自由党、次いで公明党と連立を組んだ。
参院での与野党逆転で今後国会の進め方は大きく変わることになるだろう。
野党が反対する法案は参院を通らなくなる。
与党は衆院で再議決するのに必要な3分の2以上の絶対多数を維持しているが、再議決を繰り返すのは容易ではない。
衆参両院の多数派が異なる「ねじれ」によって政局が不安定化するのは避けられそうにない。
[「ねじれ国会の影響」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
参院で第一党に躍進した民主党の責任は重い。
民主党は国会で安部政権に攻勢を強め、早期の衆院解散・総選挙に追い込む構えだが、「何が何でも反対」ではいたずらに政局を混乱させるだけだ。
対立一辺倒では逆に国民の失望を招くことになるだろう。
<英語表現の工夫:対立一辺倒>
|