イスラエルのレバノンに対する軍事行動は拡大する一方だ。
イスラエル軍は13日、首都ベイルートの国際空港の滑走路を爆撃したのに続き、レバノン沖に艦船を展開して海上封鎖を始めた。
一方、レバノンのイスラム過激派ヒズボラはイスラエル北部へのロケット弾攻撃を続け、双方の市民に死傷者が相次いでいる。
《「ヒズボラによる主なテロ事件」について英語にて解説》
今回の衝突の契機となったのは、イスラエル北部にヒズボラが越境し、イスラエル兵8人を殺害、2人を拉致した事件だ。
<英語記事:イスラエル兵の拉致事件>
先月下旬にはパレスチナのイスラム過激派ハマスがイスラエル兵を拉致、その救出のため、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザに侵攻していた。
反イスラエルで共闘関係にあるパレスチナのハマスとレバノンのヒズボラが相次いでイスラエル兵を拉致し、南北から挟み撃ちにあう形となったことにイスラエル政府は危機感を強め、南のガザと北のレバノンとの二正面作戦に突入した。
《「二正面作戦」について英語表現の工夫》
イスラエル軍はガザからは昨年9月に、レバノン南部からは00年5月に撤退していたが、撤退後はいずれも、武装集団によるイスラエル領内へのロケット弾攻撃に住民が悩まされてきた。
[「イスラエルのガザ撤退」を英語論説のテーマとして]
イスラエルの軍事行動が当初の「兵士救出」という目的を超えているのは明らかだ。
レバノンでは過激派の拠点だけでなく、空港やテレビ局、橋や幹線道路までが空爆されている。
ガザでもイスラエル軍の攻撃によって電気や水道が止められた。
住民の生活を苦しめるインフラの破壊に国際社会の批判が高まっている。
<英会話:イスラエル軍によるインフラ破壊>
イスラエルはヒズボラの背後にイランやシリアがいると非難している。
ヒズボラは、イスラエルがレバノンに侵攻した1982年ころに結成され、イランとシリアが支援しているとされる。
《「イランのヒズボラ支援」に関して英会話/ディスカッション》
核開発問題を抱えるイランが国際社会の追及をかわすために、ヒズボラを利用しているとの指摘もある。
アラブ諸国の反応は意外なことにイスラエル批判一辺倒ではない。
サウジアラビアは「ヒズボラの行動も不適切で無責任」と非難し、エジプトやヨルダンなどもサウジアラビアの立場を支持している。
背景には、ヒズボラの後ろ盾であるイランがイラク戦争後に周辺地域への影響力を拡大させようとしていることへの警戒感があるとみられる。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
ブッシュ大統領は13日、イスラエルの報復行動について「イスラエルには自国を守る権利がある」と容認する姿勢を示し、ヒズボラやヒズボラを支援するイランやシリアを非難した。
同日、国連安保理ではイスラエルの軍事行動停止と拉致されたイスラエル兵の即時解放を求める決議案が採決されたが、米国が拒否権を行使し、否決された。
<英会話/ディベート:米国のイスラエル擁護>
中東情勢に最大の影響力を持つ米国のこうした対応はイスラエル擁護に偏ったバランスを欠くもので、疑問を抱かざるを得ない。
〔英会話表現による言い換え〕
米国も含め主要国は一致して、双方に停戦を強く迫るべきである。
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