13日〜15日、朝鮮半島分断後初の南北首脳会談が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開かれた。
[「朝鮮半島分断の歴史」を英会話のトピックとして]
14日、韓国の金大中大統領と北朝鮮の金正日総書記は5項目からなる南北共同宣言に合意し署名した。
共同宣言は、(1)統一問題の自主的解決、(2)韓国の「連合制」案と北朝鮮の「連邦制」案の共通性の確認、(3)離散家族の相互訪問の実施、(4)経済協力や文化的交流などの促進、(5)これらを実施するための当局間対話の早期開催、を内容としている。
<英語論文:南北統一の障害>
金正日総書記が「適切な時期」にソウルを訪問することも盛り込まれた。
南北間にはこれまで、朴正煕大統領と金日成首相時代の1972年7月4日に同時発表された統一原則に関する南北共同声明と、盧泰愚大統領と金日成国家主席時代の91年12月に締結(92年2月発効)された南北基本合意書がある。
《「南北共同声明」と「南北基本合意書」について英語にて解説》
1994年6月には、訪朝したカーター元米大統領が金日成主席に韓国の金泳三大統領との南北首脳会談開催を提案し、同意を得た。
しかし、実務者協議で合意書が交わされた直後、金日成主席が急死し、実現には至らなかった。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
昨年の6月には、南北海軍の艦艇が黄海上で交戦し、軍事的緊張が高まった。
<英語記事:黄海上の南北交戦>
それが今年、くしくも南北分断から55年、朝鮮戦争勃発から50年の節目に、首脳会談が実現することになった。
今回の実現は、金大中大統領が就任以来推進してきた「太陽政策」の成果と見ることができる。
[「金大中大統領の太陽政策」を英会話/ディベートのテーマとして]
大統領は今年3月のベルリン宣言で、北朝鮮のインフラ整備のため政府レベルでの大規模な経済協力の用意があると表明した。
こうした働きかけが北朝鮮の方針転換を促したようだ。
一方、北朝鮮側の事情としては、国際的孤立と経済的困窮の深まりがあった。
《「北朝鮮の経済的困窮」について英語論説》
韓国からの対話要求に応じざるを得ないほど状況が深刻なことを物語っていると言っていいだろう。
これまで敵対してきた韓国と北朝鮮が和解に向けて大きな一歩を踏み出したものとして、今回の合意を喜びたい。
〔英会話表現による言い換え〕
共同宣言の内容が確実に実行されていけば、東西冷戦終結後も解消されなかった朝鮮半島の冷戦構造に変化をもたらすことになる。
日本だけでなく、北東アジアの平和と安定にとっても歓迎すべき前進だ。
とはいえ、これで南北の緊張緩和が直線的に進むと楽観することはできない。
《「南北の緊張緩和の進展」に関して英会話/ディスカッション》
特に南北統一への道筋がついたと考えるのは早計に過ぎるだろう。
統一問題については、これから具体的な交渉に入ってゆけば難航するのは必至だ。
日本政府は、南北対話の進展を支持しながらも、事態の展開に慌てて日朝関係の改善を急ぐ必要はない。
拉致疑惑や工作船による領海侵犯、核・ミサイル開発など、日朝間には避けて通ることのできない大きな問題がある。
国交正常化交渉には日朝間の懸案解決が必要との原則的な立場を堅持しながら、日朝交渉に臨むべきである。
<英会話/ディベート:日朝交渉における政府の基本方針>
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