9日、米ハワイ・オアフ島沖で、愛媛県にある水産高校の漁業実習船「えひめ丸」が、急浮上した米原子力潜水艦「グリーンビル」に衝突され沈没し、「えひめ丸」の乗員35名の内、実習生4名を含む9名が行方不明となった。
《「過去の原潜衝突事故」に関して英語記事》
その後米国家運輸安全委員会(NTSB)などの調査で、いくつかの要因が積み重なった事故であることが明らかになってきた。
〔英会話表現による言い換え〕
事故の際、グリーンビルは民間人16名を乗せていた。
今回の運行は民間人へのデモンストレーションを目的としたものだった。
米海軍は当初、民間人の乗艦と事件との関係を否定していたが、その後の調査は、民間人の存在が艦内の意思疎通を遮断していたことを認めた。
[「民間人乗艦の事故への影響」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
音響探知機(ソナー)のデータをもとに船舶の位置などを解析する担当員はえひめ丸の接近を把握しながら、司令室内の民間人が物理的な壁になって報告を怠っていた。
他にも、事故当時、原潜のソナーは資格がない実習生が担当し、その監督者は民間人の案内に忙しく持ち場を離れていたこと、ソナー室からの情報を司令室に映し出すバックアップ用のモニターが故障していたのにもかかわらず点検していなかったこと、潜望鏡による安全確認にかけた時間が短く、高さも不十分だったことなどが明らかになった。
<英会話:安全確認のミス>
事故後、原潜の乗組員が積極的な救助活動を行わなかったと非難する声があるが、これは必ずしも的を得たものとはいいがたい。
救助設備をもたない潜水艦が行うより、救助活動専門のアメリカ沿岸警備隊(USCG)に任せた方が効率的な救助が行えると判断したものだろう。
《「USCG」について英語にて解説》
事実、USCGの迅速な救助活動によって、衝突によって海上に放り出された「えひめ丸」の乗員全員が救助された。
最新鋭の原子力潜水艦に民間人を乗せるというのは、納税者への情報開示の一つと考えられるが、安全性確保への十分な配慮の下に行われるべきだ。
民間人の潜在的欲求に迎合した過剰サービスになっていなかったか、米海軍関係者に問いたい。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
今回の事故では、原潜幹部のずさんな対応だけでなく、米海軍全体の体質が問われていると言えるだろう。
多数の民間人を乗せたのも海軍上層部からの指示によるもので、艦長らだけの責任とは言えないはずだ。
米海軍の規律の緩みを指摘する声もある。
[「米海軍の規律の緩み」を英語論説のテーマとして]
近く米海軍は、軍法会議を開くかどうか、事実関係の究明を行う査問会議を開くことになっている。
<英語にて解説:軍法会議と査問会議>
査問会議には日本の海上自衛隊の幹部がアドバイザーとして出席することを認めた。
政府の役割は大きい。
事故の原因と責任の所在の徹底的解明、その結果に関する情報の迅速な提供と公開、被害者への十分な支援と補償など、米政府に対して日本側の要求を主張すべきである。
長年に渡って両国が築いてきた信頼関係が損なわれることのないように、米側の誠意ある対応を望みたい。
《「事故の日米関係への影響」について英会話/ディスカッション》
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