中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで5日、ウイグル族によるデモが暴動に発展し、国営の新華社によると150人を超す死者と1千人以上の負傷者が出た。
《「中国の自治区」について英会話》
7日にはウイグル族に抗議する漢民族1万人以上がデモ行進し、一部が暴徒化してウイグル族経営の商店などを襲撃した。
民族間の対立がさらに激化しており、同自治区当局は同日、車での夜間外出禁止令を発令した。
当局は今回の暴動を「海外の者が指揮し、国内の者が行動を起こした事件」と断定。
一方、亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」は「平和的なデモ」だったと強調。
《「世界ウイグル会議」に関して英語にて解説》
同会議が扇動したという指摘を否定するとともに、参加者が武力鎮圧を受けたとして当局の対応を非難した。
少数民族居住区での大規模な抗議行動は、昨年3月にチベット自治区の区都ラサで起きたチベット騒乱以来のことだ。
[「08年3月のチベット騒乱」を英語記事のトピックとして]
新疆ウイグルでは、北京五輪のあった昨年8月にカシュガルとクチャで相次いで武装グループが治安機関を襲撃する事件が起きている。
今回のデモの引き金となったのは6月下旬、広東省の玩具工場で起きた漢民族とウイグル族の衝突でウイグル族2人が死亡した事件。
ネットの画像配信などによって内陸まで事件の様子が伝わり、ウルムチに飛び火した。
<英語表現の工夫:飛び火>
漢民族の支配に対するウイグル族の日頃の不満が爆発したといえる。
ウイグル自治区の共産党委員会は漢民族が主導権を握っている。
中国政府が支配強化のため漢民族を大量移住させたことにも反発が強い。
[「漢民族の大規模移住」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
1949年に1割弱だった漢民族の人口比率は2007年には4割弱まで高まった。
地域間、民族間の経済格差も不満の根底にある。
新疆ウイグルの都市住民の08年の平均可処分所得は上海市の約4割。
98年は約6割だったが、沿海部の発展とともに格差は拡大している。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
ウイグル族が経営する企業は中央アジアとの貿易や流通が多いが、金融危機の影響で1〜3月期の新疆の貿易額は前年同期比2割以上減少し、収入が落ち込んでいる。
一方、漢民族が多数を占める国有石油会社などは、中国政府が力を入れてきた開発事業を担い、経済発展の恩恵も受けている。
<英会話/ディスカッション:漢民族との経済格差>
政府が新疆ウイグルを重視する理由の1つはこの地域の豊富な天然資源だ。
[「新疆の地理的重要性」を英語論文のテーマとして]
07年の統計によると、国内原油生産量の14%、天然ガス生産量の30%を占める。
カザフスタンなど中央アジアと中国を結ぶパイプラインの要所にもなっている。
国家のエネルギー戦略に欠かせない地域だ。
中国指導部は10月の建国60周年を控え、社会安定を最優先に治安強化を打ち出している。
当局はウルムチやカシュガルを含む自治区内の5地区に武装警察部隊など3万人以上を投入した。
しかし、力ずくでの封じ込めは、ウイグル族の反発を一層増幅させる危うさもはらんでいる。
《「中国の民族政策」に関して英会話/ディベート》
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