日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会議(ピッツバーグサミット)は25日、首脳声明を採択して閉幕した。
世界経済の「強固で持続可能かつ均衡ある成長」のため新たな協調の枠組み作りで合意した。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
経済のグローバル化が進み各国の相互依存関係が深まる中で起きた昨秋のリーマン・ショック後の金融・経済危機は、世界的な政策協調の機運をもたらした。
《「グローバル化と経済危機」に関して英語論文》
景気対策などで先進国と新興国が一致した行動をとる必要性が従来以上に高まったためだ。
その受け皿としてG20サミットが登場。
昨年11月と今年4月の2度の会合では、危機対応型の金融財政政策を協調して進めることを打ち出した。
今回のG20会議前に米連邦準備理事会(FRB)が景気底入れを宣言するなど世界経済は回復の兆しをみせつつある。
25日に発表した声明は、経済政策を平時対応に戻す出口戦略に言及。
<英語表現の工夫:出口戦略>
だが、全体会合で多くの首脳から「出口論は時期尚早」との発言が相次いだため、声明には景気刺激策の継続も明記された。
危機の再発を防ぐ観点から、米国の過剰消費に依存した「世界経済の不均衡」を是正するため政策協調の枠組みを設けることにした。
《「世界経済不均衡の構図」について英語にて解説》
米国など経常赤字国は貯蓄率の向上や輸出の増強に努める一方、中国など経常黒字国は輸出依存度を下げ、内需拡大に取り組む。
G20各国の経済政策を相互監視する体制も整える。
主導した米国がG20を政策協調の柱に据えたのには、中国を取り込む狙いがあった。
サミット2日目には、中国の胡錦濤国家主席が「米中間の消費・貯蓄や貿易の不均衡よりも、世界的な富の分配の不均衡こそが問題だ」と米国をけん制する場面も見られた。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
G20は金融規制強化でも合意した。
銀行の自己資本の「質と量を改善する」ルールを2010年末までに策定し、12年末までを目標に段階的に実行に移すことを目指す。
また、金融機関の報酬規制を導入する。
[「米大手金融機関の賞与」を英語記事のトピックとして]
国際通貨基金(IMF)での発言権につながる出資比率も改める。
声明は経済力に比べて過小評価されている新興国などの出資比率を少なくとも5%引き上げることを明記。
<英会話/ディスカッション:新興国の発言権強化>
これにより中国の出資比率は現在の4%から大幅に増え、日本(6.6%)やドイツ(6.1%)などと肩を並べる公算が大きい。
声明ではG20サミットを「国際経済協力に関する第1のフォーラム」と位置付け、今後は毎年開催する考えを示した。
来年は6月にカナダ、11月に韓国で会合を開く。
経済外交の舞台は主要8カ国(G8)からG20へ交代する。
《「G8の存在感低下」について英会話》
G20サミットの定例化が決まったことを受け、中国などは早くも議長国に意欲を示している。
サミットには中国の他、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ共和国なども参加している。
今後、新興国が議長を務めることになれば、世界経済の議論の場で新興国の発言力が一段と高まる可能性もある。
[「世界経済での新興国の比重」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
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