イスラエル軍は3日夜、パレスチナ自治区ガザへの地上軍侵攻に踏み切った。
12月27日の大規模空爆開始以降、地上部隊がガザに入るのは初めてで、戦闘は一気に拡大した。
[「ガザ地区を巡る情勢」を英語記事のトピックとして]
ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスも徹底抗戦を表明しており、事態の泥沼化も否定できない。
ガザは南北40キロ、東西10キロの帯状の地域に150万人が密集して暮らす。
世界有数の人口密集地での地上戦で民間人に大きな被害が出ることは避けられない。
《「人口密集地での地上戦」について英会話》
先月の空爆開始からのガザ側の死者数は500人を超えた。
イスラエルの主な世論調査によると、8日間にわたる空爆を国民の5〜8割が支持、パレスチナ問題に弱腰として低迷していた与党第1党カディマの支持率も盛り返した。
来月の総選挙をにらむオルメルト暫定首相は空爆への高い支持の余勢を駆って、格段にリスクの高い地上戦にOKを出した。
<英語表現の工夫:余勢を駆って>
ガザからはイスラエル南部へのロケット弾攻撃などが続いていた。
同国首相府はハマスによるロケット弾発射地域の制圧が侵攻の目的だと説明。
ハマスのロケット発射基地や製造拠点を徹底的に破壊して、イスラエル領への攻撃の脅威を完全に払拭する狙いがある。
〔英会話用の口語文体で言い換え〕
ハマスの軍事部門は2万規模の民兵を抱えているとされる。
《「ハマスの歩み」について英語にて解説》
昨年12月までの停戦期間中に武器を備蓄し、民兵の訓練も進めている。
今回の衝突では手製のロケット弾に加え、密輸したと見られるカチューシャロケットなどの兵器も使用しているという。
イスラエルが短期間でハマスのロケット攻撃を封じる目標を達成できず、自国兵の犠牲が増えれば、政府批判が強まることも予想される。
[「作戦長期化による政権への打撃」を英会話/ディスカッションのテーマとして]
06年夏にイスラエル軍がイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラ掃討を目的にレバノン領に侵攻した際には、1カ月を超える戦闘で多大な損害を出し、政権の支持率も1割を切った。
国連安全保障理事会は3日夜、緊急協議を開いた。
非常任理事国リビアが紛争当事者に即時停戦を求める議長声明案を提示したが、親イスラエルの米国が反対し、合意は成立しなかった。
安保理は12月28日にも即時停戦を要請する報道向け声明を発表。
<英語にて解説:議長声明と報道向け声明>
潘基文事務総長も繰り返し即時停戦を求めていた。
国際社会による調停の動きも活発化している。
フランスのサルコジ大統領が5日から中東を歴訪する他、欧州連合(EU)の外相級代表団が中東入りし、事態打開を図る。
フランスは昨年末、ガザ地区への援助物資搬入などを目的とする48時間の人道的停戦を提案したがイスラエルが拒否した。
《「国際調停の成否」に関して英会話/ディスカッション》
米国はイスラエルによるガザへの侵攻を事実上黙認する姿勢を示している。
<英会話/ディベート:米政府のガザ侵攻黙認>
チェイニー米副大統領は4日、「条件を満たした停戦でなければならない」と明言。
ハマスを「テロリスト集団」と位置付けるブッシュ政権はイスラエルの攻撃を擁護し、ハマスの弱体化を後押しする構えだ。
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